包装の変化は人間生活の変化の歴史

1950年代の後半になると、インスタント食品の時代と言われるようになりました。インスタントラーメン、粉末ジュース、粉末調味料、魚肉ハム、ソーセージといった簡単に食べられるインスタントな食品が大量に出回ったからです。こういったインスタント食品が可能になったのも、ポリ塩化ナイロンなどのとても優れた包材が開発されたからです。1960年代になると、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステルなどのとても優れた包材が加わります。金属の缶やガラス瓶、木箱、紙といったもので包装されたものが、プラスチックに変わっていきました。ダンボールも普及していきました。1970年代は、欧米のような進んだ生活を追い求めていた時代とといえます。生活の中の包装も欧米の先進的で合理的な包装資材や技術を導入していきました。これを日本流にしながら、消費文化を支えるものとなりました。包装は、国民生活が豊かになるにつれて、どんどん付加価値の高い商品が作られるようになっていきました。包装は機能的なもの、美しいもの、商品の品質保持、流通するために適した包材が求められるようになりました。包材の機能も多様化しました。とても高度なものから、さまざまな機能が付与された包材が開発されていきました。そして同時の包装ゴミの問題も深刻になっていきました。包装廃棄物を処理するために、捨てやすさや分別しやすさといったものが求められています。生分解性などの機能を持った包材も開発されています。生分解性プラスチックや紙素材のカップやストローなどを採用しているテイクアウトのお店もあります。1980年代はバブルの時代で、さまざまな機能の包装材を開発するブームもおきました。