本棚のすき間

絵本や小説、図書館についてなど、本全般について書いています。

百人一首

【百人一首】を第一首から学ぶ(57・58)

百人一首を第一首から学ぶ(57・58) 57首目 めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬまに 雲がくれにし 夜半の月かな 紫式部 訳 久々に会えたのに、それがあなたかどうかもわからないうちに帰るなんて、くもに隠れた月のようだわ。 解説 あわただしく帰っ…

【百人一首】を第一首から学ぶ(55・56)

百人一首を第一首から学ぶ(55・56) 55首目 滝の音は たえて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ 大納言公任 訳 滝の音が聞こえなくなって長い年月が経つが、その名声だけは消えることなく、今も世間に知れわたっていることだ。 解説 この…

【百人一首】を第一首から学ぶ(53・54)

百人一首を第一首から学ぶ(53・54) 53首目 嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る 右大将道綱母 訳 嘆きながらひとりで孤独に寝る夜。 夜明けまでの時間がいかに長いことか、あなたは知らないでしょう。 解説 詠み人の藤…

【百人一首】第十一首~第二十首 現代語訳と解説 まとめ

百人一首 第十一首から第二十首を一気に学ぶ 十一首目 わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ あまの釣舟 参議篁 訳 大海原に浮かぶ無数の島々を目指して漕ぎ出していったと、都の人には伝えてくれ。 漁師の釣り船よ。 参議篁は802年生~83…

【百人一首】を第一首から学ぶ(51・52)

百人一首を第一首から学ぶ(51・52) 51首目 かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを 藤原実方朝臣 訳 こんなにも恋しく思っているのに、いざ口に出して伝えようとすると言えません。 きっとあなたは知らないでしょう。 私の…

【百人一首】を第一首から学ぶ(49・50)

百人一首を第一首から学ぶ(49・50) 49首目 御垣守 衛士のたく火の夜は燃え 昼は消えつつ ものをこそ思へ 大中臣能宣 訳 宮中の門番が焚くかがり火は、夜は赤々と燃え盛り、昼になると消えてしまう。 それと同じように、夜には激しく燃え上がる私の心…

【百人一首】を第一首から学ぶ(47・48)

百人一首を第一首から学ぶ(47・48) 47首目 八重むぐら 茂れる宿の 寂しきに 人こそ見えね 秋は来にけり 恵慶法師 訳 つる草が何重にも生い茂って、荒れた家。 訪れる人は誰もいないが、それでも秋はやって来るのだなあ。 解説 「八重むぐら」のむぐ…

【百人一首】第一首~第十首 訳と解説 まとめ

百人一首 第一首から第十首までを一気に学ぶ 1首目 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ 天智天皇 訳 収穫期の田んぼに立てられた仮小屋は屋根の苫の目がとても粗く、私の袖は夜露で濡れていくばかり。 解説 「かりほの庵」は「仮穂…

【百人一首】を第一首から学ぶ(45・46)

百人一首を第一首から学ぶ(45・46) 45首目 あはれとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな 謙徳公 訳 私のことをかわいそうだと言ってくれそうな人が思い浮かばない。 このまま孤独に死んでいくのだろうか。 解説 『拾遺集』の詞…

【百人一首】を第一首から学ぶ(43・44)

百人一首を第一首から学ぶ(43・44) 43首目 逢ひ見ての 後の心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり 権中納言敦忠 訳 あなたと会ってからの恋しい気もちに比べれば、会う前の悩みなどないに等しいものだった。 解説 この歌は「後朝の歌」というもの…

【百人一首】を第一首から学ぶ(41・42)

百人一首を第一首から学ぶ(41・42) 41首目 恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか 壬生忠見 訳 私が恋をしているという噂がたってしまった。 誰にも知られぬよう、想い始めたばかりだったのに。 解説 ひそかに抱いていた恋…

【百人一首】を第一首から学ぶ(39・40)

百人一首を第一首から学ぶ(39・40) 39首目 浅茅生の 小野の篠原 忍ぶれど あまりてなどか 人の恋しき 参議等 訳 まばらに茅が生える野原の中の篠竹ではないが、あなたへの想いはもはや忍ぼうにも忍びきれない。 解説 抑えようにも抑えきれない気持ち…

【百人一首】を第一首から学ぶ(37・38)

百人一首を第一首から学ぶ(37・38) 37首目 白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける 文屋朝康 訳 草の葉で光るつゆに、風が吹きつける秋の野は、留めていない真珠が散らばりふきとんでいるようだ。 解説 「白露」は、草の葉の上に…

【百人一首】を第一首から学ぶ(35・36)

百人一首を第一首から学ぶ(35・36) 35首目 人はいさ 心もしらず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける 紀貫之 訳 あなたの心変わりはわかりませんが、昔なじみの里では、梅の花だけが昔と同じく香っています。 解説 当代随一の歌人として知られる紀貫…

【百人一首】を第一首から学ぶ(33・34)

百人一首を第一首から学ぶ(33・34) 33首目 久方の 光のどけき 春の日に しづごころなく 花の散るらむ 紀友則 訳 光ものどかに射している、おだやかな春の日。 どうして落ち着いた心もなく、桜はあわただしく散っていくのだろうか。 紀友則は845年…

【百人一首】を第一首から学ぶ(31・32)

百人一首を第一首から学ぶ(31・32) 31首目 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪 坂上是則 訳 空がほのかに明るくなってきた明け方m有明の月と間違えるほど明るく、吉野の里に雪が降っている。 坂上是則は生年不詳~930年没。 …

【百人一首】を第一首から学ぶ(29・30)

百人一首を第一首から学ぶ(29・30) 29首目 心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花 凡河内躬恒 訳 手折るならば、当て推量で手折ってみようか。 初霜が降りて、白菊と見分けがつかなくなっているのだから。 凡河内躬恒は859年頃…

【百人一首】を第一首から学ぶ(27・28)

百人一首を第一首から学ぶ(27・28) 27首目 みかの原 わきて流るる 泉川 いつ見きとてか 恋しかるらむ 中納言兼輔 訳 みかの原を左右に分けて流れる泉川。 その泉川の「いつ見」 ではないけれど、いったい、いつ見たということで、こんなにも恋しいの…

【百人一首】を第一首から学ぶ(25・26)

百人一首を第一首から学ぶ(25・26) 25首目 名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで 来るよしもがな 三条右大臣 訳 「逢う」という名を持つ逢坂山。 その名に背かないのなら、人知れずあなたに会う方法はないものか。 三条右大臣は873年生…

【百人一首】を第一首から学ぶ(23・24)

百人一首を第一首から学ぶ(23・24) 23首目 月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど 大江千里 訳 秋の月を見ていると、いろいろともの思いに耽ってしまう。 私ひとりのために訪れた秋ではないけれど。 大江千里は生没年不詳…

【百人一首】を第一首から学ぶ(21・22)

百人一首を第一首から学ぶ(21・22) 21首目 今来こむと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな 素性法師 訳 「今すぐ行くよ」と言ったから九月の長い夜を待ち続けていたのに、夜明けの月が出てきてしまった。 素性法師は生没年不明。 清…

【百人一首】を第一首から学ぶ(19・20)

百人一首を第一首から学ぶ(19・20) 19首目 難波潟 短き葦の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや 伊勢 訳 難波潟に生える葦の節のように短い時間さえ、あなたに逢わないままでこの世を過ごせというのですか? 伊勢は872年頃生~938年没…

【百人一首】を第一首から学ぶ(17・18)

百人一首を第一首から学ぶ(17・18) 17首目 ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川 から紅に 水くくるとは 在原業平朝臣 訳 不思議なことが多く起こっていた神代の世にも、こんなことがあったとは聞いていない。 龍田川が鮮やかな紅の絞り染めをしているな…

【百人一首】を第一首から学ぶ(15・16)

百人一首を第一首から学ぶ(15・16) 15首目 君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ 光孝天皇 訳 あなたにお渡ししようと思い、早春の野で若菜を摘む私の衣の袖に、雪がしきりに降りかかってきます。 光孝天皇は830年生~88…

【百人一首】を第一首から学ぶ(13・14)

百人一首を第一首から学ぶ(13・14) 十三首目 筑波嶺の 峰より落つる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる 陽成院 訳 筑波嶺の峰から流れ落ちる滴が、やがて水かさを増して男女川になるように、私の恋心も徐々に積もり重なって今では深い淵のようになっ…

【百人一首】を第一首から学ぶ(11・12)

百人一首を第一首から学ぶ(11・12) 十一首目 わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ あまの釣舟 参議篁 訳 大海原に浮かぶ無数の島々を目指して漕ぎ出していったと、都の人には伝えてくれ。 漁師の釣り船よ。 参議篁は802年生~834年…

【百人一首】を第一首から学ぶ(9・10)

百人一首を第一首から学ぶ(9・10) 九首目 花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに 小野小町 訳 桜の花が色あせてしまたように、私の美しさも衰えてしまった。 雨を眺めてもの思いに耽るうちに。 小野小町は生没年不詳、経歴…

【百人一首】を第一首から学ぶ(7・8)

百人一首を第一首から学ぶ(7・8) 七首目 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも 安陪仲麿 訳 大空をはるか遠くまで見わたせば、東の空に美しい月が見えます。 あの月は、ふるさとの春日にある三笠山に出ていた月と、同じ月なのでしょ…

【百人一首】を第一首から学ぶ(5・6)

百人一首を第一首から学ぶ(5・6) 五首目 奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋は悲しき 猿丸太夫 訳 山の奥深く、一面の紅葉を踏み分けながら鹿の鳴き声を聞くと、秋のもの悲しさが身にしみます。 猿丸太夫は、三十六歌仙のひとりですが、ほとん…

【百人一首】を第一首から学ぶ(3・4)

百人一首を第一首から学ぶ(3・4) あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む 柿本人丸 訳 山鳥の、長く長くたれ下がった尾のように、長い長い夜を、わたしはひとりさびしくねむるのでしょうか。 柿本人丸は日本最古の歌集『万葉集…