本棚のすき間

読書・書店・学校図書館についてのあれこれ

読み聞かせにおすすめの絵本(児童書)13『なんでもただ会社』

『なんでもただ会社』

ニコラ・ド・イルシング:作 末松 氷海子:訳 三原 紫野:絵

日本標準

なんでもただ会社 (シリーズ 本のチカラ)

なんでもただ会社 (シリーズ 本のチカラ)

 

主人公のティエリー・バルトーくんは、ある日、電話を使ったいたずらをしようと思いつく。

まずは適当な番号にかけてみるけど、どこにもつながらない。

次に、じぶんの生年月日を押してかけてみる。

すると、「こちらはなんでもただ会社ですが」という声が。

 

会員になれば、毎日何でもただでほしいものを送ってくれるという。

ただし、最後に「ん」の付くものを頼んでしまったら、これまでに頼んだものをすべて返してもらうか、ティクサール星で死ぬまで働いてもらうかのどちらか。

 

からかわれているんだ、と思ったけれど、おもちゃのトラックを頼んでおどろいた。

受話器から紫色の煙が出てきて、それから、そこに、ほしかったトラックがいきなり現れたのだ。

 

味をしめたバルトーくんは、毎日、好きなものを注文しはじめた。

ただし、最後に「ん」が付かないように、細心の注意を払いながら。

なんでもただ会社の方は、しつこく「ん」で終わるしなものを注文させようと、様々なわなをはりめぐらしてくる。

 

でも、そんなヘマはしない。

バルトーくんも、そう思っていた。

 

だから、まさかあんなことになってしまうなんて、思ってもみなかった。

その日は、ついにやって来てしまう……。

 

 

感想

六つの章に分かれていて、そのどれもが、続きが気になるような終わり方をしているので、長期的な読み聞かせにおすすめです。

 

欲に目がくらんだバルトーくん。とちゅうまでは上手いことやっていましたが、これは物語なので、どこかで失敗をするだろうな、と思いながら読めますが、なんでもただ会社のなかなかにズルい、上手いやり方に感心させられました。

 

ひとの心って、単純で、コントロールされやすいですね。

落とし穴に落っこちたバルトーくんがどうなってしまうのか、ティクサールという星に連れていかれてしまうのか。

どうなっちゃうんだろう……という、ページをめくる楽しさを教えてくれる一冊です。

 

いたずら電話のシーンから始まるので、読み聞かせをする時には、こういうことは絶対にやってはいけません、と注意をするのも忘れずに。