今日、学校の図書館であった出来事です。
わりと最近、図書館にこの本を入れたんです。
災害時にどれくらい水が必要とか、食べるものはこういうものがあると便利とか、児童向けに書かれている本では、わりと充実した内容。
で、この頃では地震だけでなく、台風や豪雨等といった災害が、日本中で起こっているということもあり、われながら良いものを見つけたと思ったのですよ。
でも、まずは大人目線というか、大人がどれくらいそうしたことに本気で関心があるのかということを考えます。
災害対策調査結果/DIMSDRIVE独自の公開アンケートによる最新調査結果【DIMSDRIVE】
こちらのサイトでは、災害に備えての準備をしているか、という質問で、約4割が特になにもしていない、と答えているそうです。
家庭で防災グッズは準備していますか、という質問には、約6割が準備していない、という回答。
いろいろな経験をし、凄惨な場面を見たりもしてきたであろう大人たちですら、こういった意識なのです。
かくいう自分も、なにかはっきりとした準備をしていたり、家に防災グッズを置いている、とかいうことは、全然出来ていません。
いざというときのために、準備しておいた方がいいだろうなあとは思いつつ、実際に行動し、購入し、備える、というところまでいかないのが現実です。
これを読んでくださっている皆さまはいかがでしょうか。
備えていない、という方も、きっと、しなくちゃいけない、という気もちは持っていらっしゃるのだと思います。
実際にどういうものがあるのか、どういうものを準備しておけばいいのか、といったことを調べるところまでいった方はどれぐらいいるのでしょうか……。
今日、四年生のあるクラスの図書の時間があり、そのときにひとりの男子児童が、先ほど紹介した『防災教室』という本をカウンターに持ってきました。
新しく入った本のコーナーにあったものの、あまり、貸出はされていませんでした。
その子は貸出処理をしてもらいながら「この本、読んでおいたら役に立ちそう。良い本見つけちゃった」と言って、白い歯を見せ、颯爽と去っていったのです。
なんという10歳児なのだろう、と衝撃を受けました。
小四男子というのは、ほかの子たちをみていると、もうとにかくふざけたい時期という感じがするのですが、その子は、いつも冷静。
読書も好きで、厚い本もどんどん読んでいます。
一学期には岡田淳さんの本をすすめたら、二分間の冒険のPOPを書いてくれたりもしました。
今日のお昼休みにはこんなことも。
彼は図書委員会に入っているんですが、とことこやって来て「先生、カウンターに図書委員以外のひとが入ってます。言ってください」ととても感じのいい言い方で言ってきました。
決まりとして、カウンターには図書委員以外の児童は入らないこと、となっているのです。
でも、それをきちんと先生のところに来て、しかも、きちんとした日本語でお願いしてくる男子というのは、なかなかいないのですよ。
普段から、この子はひと味違うな、というか、しっかりしつけをされている感じはあったのですが、今日はそれが爆発していました。
防災についての意識まで、ちゃんとしているなんて……。
なんというか、打ちのめされたような感覚でした。
へらへらと、好きなことばかりに目を向けているだけじゃあだめだよね、と教えられたような気分です。
早速、明日辺りどこかのホームセンターにでも行って、いろいろ見てみようかなと思っています。
子どもに教えられながら、大人も成長していきます。
そういえば以前、教員の職員研修についての俳句みたいなものを作ってくれと言われて、「研ぎ研がれ 尖らず育て 子と元子」という川柳的ななにかを作ったことがあります。
大人は子どもたちの良いところを伸ばし、それが武器になるような後押しをするという面があるかと思います。
でも、それは子どもに尖るように育ってほしいというわけではありません。
また、教員の不祥事がニュース等で取り上げられることも多いこの頃、教員も自分自身を研鑽し、昔同じように子どもだったひとりの人間として、子どもといっしょに育っていきましょう、という意味も、こめています。
というのを、教員でもなんでもない学校司書が偉そうに作ったりした日もありました。
全然関係ない話になってしまいましたが、大人も子どもも、猛り狂った自然の前では等しく無力です。
それこそ、大人も子どもも同じように、いざというとき、のことを考えておくべきではないでしょうか。
近年稀にみるまじめな記事でした。