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読み聞かせにおすすめの絵本20

『あしにょきにょきときょうりゅう』

深見春夫

岩崎書店

あしにょきにょきときょうりゅう (えほんのぼうけん)

あしにょきにょきときょうりゅう (えほんのぼうけん)

 

あの『あしにょきにょき』シリーズのまさかの三作目です。

 

さんぽをしているポコさんのもとに、さかの上から大きなまめがころがってきました。

「わたしをにて食べてちょうだい」

とまめは言いました。

 

さっそく、まめをもちかえってにて食べたポコおじさん。

食べ終わると、やっぱり、左足がにょきにょきとのびはじめました。

 

足は森を抜け、トンネルに入っていきます。

トンネルを抜けると、そこにはきょうりゅうがいました。

 

きょうりゅうの時代にやって来たのです。

 

やがて、足はきょうりゅうの子どもたちが集まる場所にたどり着き、いっしょに遊んであげました。

巨大な足にとっては、ブランコやすべり台もお手のもの。

 

夕方になると、きょうりゅうのおかあさんたちが子どもをむかえに来ました。

でも、ひとりだけのこっている子がいます。

 

アシノサウルスのアシミです。

 

アシミちゃんのお母さんは、どこにいってしまったのでしょうか?

そして、ポコおじさんの左足は?

 

 

感想

前作までのセオリーを、最初のページからくずしてきます。

あの、大きなまめが今回はいきなり口をきくんです。

そこでもう、いつもと違うぞ、というワクワクが生まれます。

 

そもそもタイトルの時点であやしい気配は漂っています。

あしにょきにょきと「きょうりゅう」です。

これまで、森を抜けて町に出て、ごちゃごちゃするのがこの絵本のスタイルだったのが、唐突なきょうりゅうの登場。

 

しかもそれがメタファーとかモチーフとかそういうんでなく、ほんとに、きょうりゅうの時代に行ってしまうあたりが、この絵本のぶっとんでいる良いところだと思います。

 

でも、ただぶっとんでいるだけかと言うと、そうでもないのです。

今回はいままでよりもストーリー性があって、心にあたたかいものが残る(ほんのちょっぴりかもしれませんが)ようになっています。

 

きょうりゅうの親子が登場するのがポイントです。

でも、このきょうりゅう、名前といいデザインといい、その挙動といい、なにもかもがふざけているので、注意してください。

 

だって、まず、アシノサウルスです。

 

ため息が出るようなふざけっぷりです。

大好きです。

 

 

この作品は2018年9月30日発行の新しいものですが、まだまだ続編を読んでみたいと思いました。

作者の深見春夫さんは1937年生まれだそうなので、けっこうなお歳かもしれませんが、まだまだ現役でがんばってほしいです。

 

あしにょきにょきシリーズの三作品でした。

 

絵本ナビで、前2作を試し読みできます。