本棚のすき間

読書・書店・学校図書館についてのあれこれ

人前でしゃべるのが苦手なあなたと共有したい本

突然ですが、人前でしゃべるのが苦手です。

たぶん、これを読んでいる方々の半数以上が同じように感じているのではないかと勝手に推測しているのですが、違っていたらごめんなさい。

 

そういうわけで、極力、人前に出なくてもいい仕事として(かどうかは定かではないですが)、司書を魅力的に感じていたあの頃の自分がいたんです。

 

まだ10代……!

本が好きで、本に詳しければいい、と、そんな浅はかな考えを持って、まだきらきらした目を持っていたあの輝かしい時代……。

 

まあ、そんな素敵なものでもなかったのかもしれませんが、そういう期待はうっすらと心のどこかに残っていたのは確かだと思います。

で、公共図書館の司書の募集を見て、これは今世紀最大のチャンスかもしれぬ、と思い、履歴書の欄をせっせと埋め、面接にのぞんだのでした。

 

そうして、運という運を使い果たした結果、倍率二十倍ほどの激戦をくぐり抜け、めでたく採用の通知をいただくことができました。

 

大学時代に司書資格を取得し、でも、司書の仕事をすることは一生無いのではないかと思っていたので、人生も捨てたもんじゃないですなあ、などと青い空にうかぶ雲をながめたりもしていました。

 

採用が決まってから数日後、配属先についての通知が届きました。

そこには「〇〇小学校」という文字が。

 

いやいや、あの募集は公共図書館の司書の募集じゃなかったのですか、と思いながらも、じわじわと、募集要項をよく読んでいなかった気もしてきた。

 

ここまできてやっぱりやめますとも言えないですし、それに、学校図書館も案外楽しいかもしれないじゃないかと思い、結果オーライということにしました。

子どもたちがきらいなわけでもないですし、それに、当時働いていた書店では児童書も担当していたので、ある程度の知識はあります。

 

でも……

小学校の司書ということは、図書の時間があり、そのときには読み聞かせをするのです。

極力人前に出ないということをよしとしていた自分にとって、それは、かなり高いところにあるハードルです。

もはや、下を軽くくぐっていけるくらいです。

 

読み聞かせって、ただ、絵本を読めばいいというだけのものなら、まあ、自分にも務まるとは思います。

でも、絵本を読む前に季節的な話をしたりだとか、終わったあとに何かブックトークをしたりだとか、そういうことを考えると。

 

べつに、絵本を楽しんで読めばいいじゃない、と言ってくださる方もいるかと思います。それは、本当にその通りだと思います。

でも、学校司書をやってみてわかりましたが、それをするだけでいい、というのも難しいのが、実際のところなのだと思うのです。

 

読み聞かせ自体は、それでもいいんですが、やっぱり、新しく入った本なんかは子どもたちに読んでほしいじゃないですか。

そうすると、いかにその本が魅力的で、面白くて、というようなことを伝えたくなってくるのです。

だから、大げさに言うと、毎日のようにプレゼンをすることになります。

 

上手くいく日もありました。

子どもたちがこぞって紹介した本に群がり、じゃんけんにズルがあったとか言いだしてついには大喧嘩泣きだす子もいたりなんかして。

全然上手くいかない日は、紹介した本がずっと授業の終わりまでぽつんとそこに置かれていました。

 

そういうときは、なんというか、悲しいというよりもはずかしいという感じ。

 

 

そもそも、しゃべるのが苦手なんだ、という開き直りをしてしまえば、多少楽にはなりますが、でも、なんの解決にもなりません。

 

前置きが長くなりましたが、そんな自分なので、この本はとても心をつかまれました。

僕たちはどう伝えるか (単行本)

僕たちはどう伝えるか (単行本)

 

『僕たちはどう伝えるか』というオリエンタルラジオ中田敦彦さんが書いた、プレゼンの極意的な本です。

 

この本、はじめにのところでも書かれていますが、30分もあれば読めてしまいます。

でも、簡潔でわかりやすく、書かれていることがいちいち響いてくるのです。

 

二時間かけて読んだ本でも、自分の内面に影響を与える部分はほとんどなかった、という自己啓発本等を読むよりも、ずっといい気がします。

 

 

個人的に、いい緊張と悪い緊張の話が心にずしんときました。

緊張しているときに、いま自分が感じているのはいい緊張なのか、悪い緊張なのかを確かめてみる、というものです。

 

しっかり準備をしたのだから、失敗したくないという思いから来るような緊張なら、それは悪いものじゃないと書かれています。

 

 

仕事でも、まさにそういう場面がたくさんあります。

人前でしゃべるときに感じる緊張には、いい緊張と悪い緊張がある。

 

準備万端で、それを出しきれるかというような緊張ならよしとして、自信を持ってプレゼンをする、というのを実践していきたいものです。

 

準備万端にする、というのがなかなか難しいのですけども。

 

 

人前でしゃべるのが苦手というひとはぜひ読んでみてください。

僕たちはどう伝えるか (単行本)

僕たちはどう伝えるか (単行本)

 

 中田敦彦さん、他にもいろいろ出しています。

天才の証明

天才の証明

 
大合格 参考書じゃなくオレに聞け!

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