『かっぱのかっぺいとおおきなきゅうり』
田中由佳子:作
徳間書店
ひでりが続き、畑のさくもつはかれてしまっています。
かっぱのかっぺいは、「だいすきなきゅうりをおなかいっぱい食べたいなあ」と思っていました。
そんなある日、大きなきゅうりをにぐるまにのせたおじいさんが向こうの道を歩いていくのを、かっぺいは見つけます。
かっぺいはおじいさんの後を追いかけます。
しばらく歩くと、道の先にちらりと緑色のものが見えました。
かっぺいはよろこんでかけより、「いただきまーす」と言って、かじりつきました。
ところが、それはサボテンでした。
また歩いていくと、つぎは草のかげに緑色のものが見えました。
こんどこそ! と思って、かっぺいはとびつきました。
ところが、それはワニでした。
かっぺいははたして無事にきゅうりを食べることができるのでしょうか。
そして、あのおじいさんの正体とは?
感想
ページいっぱいに描かれるダイナミックな絵が楽しい絵本です。
遠くからでもよく見える、というのは読み聞かせでとても大事なのです。
前半は、かっぺいが緑色のものを見つけては、失敗する、というくり返しの面白さがあって、子どもたちも「あれは○○だよ」「今度こそきゅうりだよ」と言っては、ページをめくっていいリアクションをしてくれます。
後半になると、ふしぎな場所における、ふしぎな出来事におどろかされます。
最初の方に出てきた単語が、そんな風に回収されるとは思いませんでした。
みずみずしいきゅうりが食べたくなる一冊です。
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