『それしかないわけないでしょう』
『それしかないわけないでしょう』
ヨシタケシンスケ:作
白泉社
あらすじ
きょうははれるっておとうさんはいってたけど、あめがふっている。
学校から帰ってきたおにいちゃんは、とつぜん「みらいはたいへん」なんてことを言いだした。
がっくりきて、おばあちゃんにそのことを相談しにいくと、おばあちゃんはあっけらかんとして「だーいじょうぶよ!」と笑いとばしてくれた。
選択肢はふたつとかみっつとかしかないわけじゃない。
そう、たいへんなみらいしかないわけないでしょう。
こんなすてきなみらいがあるかもしれない。
想像しはじめたら、止まらなくなって……
感想
絵本好きが最も新刊を楽しみにしているといっても過言ではない、ヨシタケシンスケさんの最新作です。
一読して、あらすじを書くのがたいへんなみらいが見えました。
でも、ヨシタケシンスケさんの本って、ストーリー的な面白さというよりも、奇抜な発想やかわいさの中にひそむ深い哲学を楽しむ、というのをいつも期待しています。
今回も、その期待以上にいろんなことを考えさせてくれる作品でした。
おばあちゃんと女の子との会話のひとコマでは、ほろっとする場面も。
たとえば、もうちいさくてはけないくつは捨てるしかない? という問いには、うえきばちにしちゃえばいいじゃない! というひとつの答えが。
こうなったときにはこうするしかない、というのは、単なる決めつけでしかなくって、全然違う未来があったっていいのです。
ネガティブな考え方をしてしまう人にこの絵本をプレゼントしたくなりました(あまり、実用的とは言えないかもしれませんが、目の前にある不安がばかばかしくなってくるかもしれません)。
ヨシタケシンスケさんの絵本が本だなにあると、明るく暮らせるような気がしてくるのです。
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