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読み聞かせにおすすめの絵本28『あたりかも』

『あたりかも』

きたじまごうき

PHP研究所

あたりかも (PHPわたしのえほん)

あたりかも (PHPわたしのえほん)

 

それは暑い夏の日のこと。

家でアイスを食べていると、あたりが出た。

 

でも、アイスを食べきったら、ぼうには「あたりかも」の文字が。

パパに「だれにきけばあたりなのかわるの?」ときいてみたら、パパはアイスのふくろをうらがえした。

 

そこには『ききたいことやごしつもんのあるひとは、おうちのれいとうこのひだりおくを3かいノックして、いりぐちからおはいりください』とせつめいが。

 

ためしに、れいとうこのひだりおくを3かいノックしてみると……ガラガラガラ~ととびらがひらいて、ほんとうにいりぐちが出てきた!

 

そこで、ぼくたちはてぶくろをはめてコートを着て、アイスおうこくへ行ってみることにした。

 

いりぐちからしゅるしゅる~とすべりおちていくと、そこは……

 

 

 

感想

びっくりするような展開に、わくわくする世界、夢のようなオチ。

一ページたりとも退屈する部分がない、素晴らしい絵本。

 

まず、導入から引き込まれる。

あたりが出てわーっと喜んでいると、それがあたりじゃなく「あたりかも」だということがわかる。

あたりじゃない、わけじゃない。

あたりかも、という期待をもたせる書き方に、ぼくだけじゃなく、読み手もかもってどういうこと? とページをめくりたくなる。

 

そして、その「かも」の部分の真意を知るためにアイスのふくろを見てみると、アイスおうこくへの行き方が書いてある……。

とつぜんの、ファンタジーへの入り口の登場に、また読み手は引き込まれる。

 

アイスおうこくって、どんな国?

 

アイスおうこくに着くと、こんなひと言が。

 

「ゆきはなめると、あまいバニラのあじがします」

 

ここはもう夢のような国なのだなということがそこでよくわかる。

でも、「あたりかも」があたりなのかどうかを知るには、少し時間がかかる。

その遠回りがまた、楽しい。

 

アイスおうこくを見学しながら、ちょっとずつ、目的の場所へと近づいていく。

 

そして、ラストにはそれまでとはくらべものにならないくらいの、夢のようなオチが待っている。

この意外さが、アイスおうこくの魅力をより強くしている。

 

この絵本を読んだら、きっと、あたりつきのアイスを食べたくなる。

それで、あたりが出たらもちろんうれしいんだけど、「あたりかも」が出ないかなと思わずにはいられなくなる。

そんな一冊。

 

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