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読み聞かせにおすすめの絵本30『おなかのなかで』

『おなかのなかで』

島野雫

教育画劇

おなかのなかで

おなかのなかで

 

ある日、きつねくんが池のほとりでかもくんを見つけた。

きつねくんはそろりそろりと近づいて、

ぱくり、ごくんとかもくんをのみこんでしまった。

 

おなかいっぱいのきつねくん。

そのとき、

ぱくり、ごくん!

きつねくんは、大きな大きなおさかなさんにのみこまれてしまった。

 

まっくらなおさかなさんのおなかのなか、きつねくんはこわくてないてしまった。

ないているうちに、きつねくんは自分のおなかが動いていることに気がつき、

ペッ、とさっきのみこんだかもくんをはきだした。

 

きつねくんとかもくんはあたりを見回してみた。

すると、くらやみの先に小さな光が。

 

でも、穴は小さくて、とても出られそうにない。

 

がっかりするきつねくん。

かもくんは、のどにひっかかっていたりんごをはきだした。

すると……

 

 

感想

食べる側だと思っていた者が、突然、食べられる側になったとき、どんな心の変化が生まれるか。

純文学とかだったら、すごく暗い感じの話ができそうだけど、これは絵本なので、そんなに、というか全然暗くない。

 

おさかなさんのおなかの中は暗いから、ページのほとんどは黒いのだけど。

 

 

食う側も食われる側も、大きな何かに食われてしまえば、皆一緒の食われる側。

となると、目的というか、願いもただ一つとなり、協力してこの場から逃げ出そう、みたいなノリになるのかと思いきや、この絵本はそうでもない。

 

なんだか、まったりしていて、でも、やさしさがある。

 

オチに意外性はないといえばないのかもしれないけど、意外なことばかりが起きるのが絵本というわけでもないだろうし。

 

 

でも、この絵本を読んで、なにかが心に残っている。

それこそ、かもくんののどに引っかかったりんごのように。

 

それがなんなのかを考えるのが、この絵本の醍醐味なのかも。

 

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