本棚のすき間

絵本や小説、図書館についてなど、本全般について書いています。

読み聞かせにおすすめの絵本32『おはなをあげる』

『おはなをあげる』

ジョナルノ・ローソン:作 シドニー・スミス:絵

ポプラ社

おはなをあげる (ポプラせかいの絵本)

おはなをあげる (ポプラせかいの絵本)

  • 作者: ジョナルノローソン,シドニースミス,JonArno Lawson,Sydney Smith
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2016/04/04
  • メディア: 大型本
  • この商品を含むブログを見る
 

セリフや文字が一切書かれていない絵本です。

 

赤い服を着た女の子が、お父さんに手を引かれて歩いていきます。

電柱のわきに咲く、たんぽぽの花をつみ、鼻をくすぐる香りを楽しみます。

 

アスファルトの裂け目に咲く花、道のはじに咲く花。

女の子の手は、しだいに、花でいっぱいになっていきます。

 

町を歩きながら、女の子は、もっていた花をプレゼントしていきます。

それは、だれに? どんな気持ちをこめて?

 

お花をあげる。

 

 

感想

想像力がどばどばあふれてくるような絵本です。

文字もセリフもない分、赤い服を着た女の子の表情や、行動から、いろんなことを自由に感じられます。

 

以前勤めていた小学校で、この絵本を子どもたちに読んでもらったことがありました。

公園のベンチで横になっているおじさんに、女の子が花をあげているシーンがあるのですが、ある子どもは「プレゼントのつもりでお花をあげた」と言っていましたし、別の子どもは「死んじゃっていて、だからお花をそなえてあげた」と言っていました。

 

というのも、その前のページで、道端に横たわってしまっている鳥に、女の子が花をあげているシーンがあるからです。

 

その子はきっと、そのページの印象を残しながら、ベンチで横になっているおじさんのシーンを読んだのでしょう。

 

どちらが正解、ということはもちろんありません。

いろんな可能性があるよね、ということを、子どもたちには伝えました。

 

そんな風に、読み手の想像力によって、それぞれのシーンが完成していきます。

絵本は自由。読書は自由。

 

受け取ったひとの感覚が、正解でいいんだよ、という、本の楽しさを知ってほしい、そんな願いをこめて子どもたちと一緒に読んだ一冊です。

 

こちらの絵本ナビからも絵本を購入できます。

絵本ナビ 子どもに絵本を選ぶなら