今週のお題「読書の秋」
『アナベルのふしぎなけいと』
マック・バーネット:文 ジョン・クラッセン:絵 なかがわちひろ:訳
あすなろ書房

- 作者: マックバーネット,ジョンクラッセン,Mac Barnett,Jon Klassen,なかがわちひろ
- 出版社/メーカー: あすなろ書房
- 発売日: 2012/09/01
- メディア: 大型本
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雪のつもったある寒い日、アナベルははこをひろった。
なかには色とりどりのきれいな毛糸が。
うちに帰ったアナベルは、その毛糸で、セーターをあんだ。
でも、まだ毛糸がのこっていたので、いぬのマースのセーターもあんだ。
それでも毛糸はまだのこっている。
近所の友だちのネイトとネイトの犬のセーターをあんでも、クラスメイトと先生のセーターをあんでも、それでもけいとはまだのこっていた。
まちじゅうが、アナベルの毛糸の色にそまっていった。
やがて、ふしぎな毛糸の話は世界じゅうに広まり、ある日、おしゃれなことで有名な王子が海の向こうからやって来た。
百万ドルはらってもいいから、その毛糸を売ってくれ、と言われたアナベルは首をたてにはふらなかった。
でも、王子はどうしてもふしぎな毛糸がほしかったので……
感想
雪のふる町の、しずかな音がきこえてくるような絵本です。
ひろったふしぎな毛糸が、次から次へとセーターになっていき、町の様子が変わっていく感じが幻想的です。
そこに現れる強欲な王子がまた、いい味を出しています。
アナベルのふしぎな毛糸はどうなってしまうのか、とやきもきしながら読んでいったところに、あのラストの展開。
素晴らしいです。
絵を描いているのはあの『どこいったん』や『ちがうねん』を書いたジョン・クラッセンです。
このひとの描く絵がまた独特ですてきなんです。
ジョン・クラッセンの絵本ファンが喜びそうなページも。
どこがそのページか、探してみてください。
『どこいったん』の紹介記事と
『ちがうねん』の紹介記事もよければご覧ください。
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