すっかり冬めいてきましたが、まだ読書の秋ということで。
今回は、学校・図書館において、個人的に便利だと思った本を5冊紹介します。
『お話・文学 間違い探し素材集』
少年写真新聞社
間違い探しの素材が80点分入っている大ボリュームの一冊です。
小学校におすすめの、日本や世界の昔話、説話の間違い探しを収録している「お話編」と中学校・高校におすすめの、有名な日本や世界の文学の間違い探しを収録している「文学編」とに分かれています。
ページをそのままコピーして使うこともできますし、CD-ROMが付いているので、データをダウンロードし、印刷をすることもできます。
必要な部分だけをコピーして、図書館だよりに載せることも。
また、大きく印刷をして、掲示することも可能です。
間違い探しだけでなく、そのお話のあらすじカードも付いているので、実際にそのお話の本を手に取るきっかけ作りにもなります。
実際に、私も図書館を出てすぐの掲示板に、週替わりでこちらの間違い探しを印刷したものを掲示しています。
普段、本を借りにきたりはしない児童でも、この間違い探しを楽しみにやって来たりします。
掃除の時にじーっとながめているような児童には、やさしく注意をします。
図書館だよりのネタに困った時にも助かりそうです。
答えは次回の図書館だよりに、という形にしておけば、次のもきっと読んでくれることでしょう(ほかの部分が読まれるかどうかは知らない)。
ただの間違い探し素材集だったら、購入しなかったかもしれませんが、すべて、お話をテーマにしている、というところがズルいです。
坂口安吾の『桜の森の満開の下』なんか、読んだことがあるひとならきっと笑います。
難易度も、こんな細かいところ? という高難易度のものもあれば、すぐに5つわかってしまうやさしいものもあります。
掲示をする前に、自分でもやってみたりするのですが、次第にいらいらしてくるほど難しいものもありました(自分の頭がかたいだけなのか)。
いろんな活用方法がありそうな一冊です。
『季節の食べものクイズ絵本』
月間「学校給食」編集部:文 角愼作:絵
全国学校給食協会
四月から、月ごとに4問ずつ、十二か月で48問の三択クイズが載っています。
次のページに答えが載っているので、めくると、答え合わせができます。
たとえば、
オクラは次のうち、どの植物の仲間でしょう。
- ユリ
- ヒマワリ
- ハイビスカス
というような問題もあれば、
栗ごはんの栗のかたい皮のことをなんと言うでしょう?
- 石皮
- 鬼皮
- 頑固皮
という問題も。
大人でも知らないような知識を求められるようなものも、けっこうあります。
図書の時間の読み聞かせをした後に、この本で、三択クイズを出したりしました。
正解してもなにもあげたりしないのですが、子どもたちは、この本を取り出すと非常にわかりやすく盛り上がってくれます。
問題がわりと難しいものが多いので、票が割れます。
正解の選択肢に、ひとりも手が挙がらない、なんてことも。
48問全部が食べものに関するクイズなので、図書委員会だけでなく、給食委員会の活動でも活躍しそうです。
それから、絵がとってもいいのです。
やわらかく、素朴なタッチの絵で、見ているとお腹が空いてきてしまいます。
食育にも繋がる、楽しい一冊です。
『ねえ知ってる? 大図鑑』
福岡伸一:総監修
主婦と生活者

- 作者: 福岡伸一,戸田一雄,今泉忠明,布施哲治,村上雅人,石垣忍,主婦と生活社,グループ・コロンブス
- 出版社/メーカー: 主婦と生活社
- 発売日: 2011/07/01
- メディア: 大型本
- 購入: 2人 クリック: 164回
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こちらは以前書いた記事
でも紹介しました、豆しばの本です。
あの、「ねえ知ってる?」という気の抜ける声が、ちょこちょこ頭の中で聞こえてきます。
でも、中身はなかなかボリュームもあって、ジャンルも多岐にわたっています。
雑学系の本ばかり読んでいる子どもを悪く言う大人をときどき見かけますが、そういう興味関心から何かに発展する可能性もあるので、個人的には止めようという気にはならないです。
むしろ、そういういろんな知識を得ていくなかで、自分がどういうことに興味があって、好きで、ほかの子よりもこんなにたくさん知っていることがある、ということを知ってほしいなと思います。
この本、総監修をしているのはあの『動的平衡』の著者である福岡伸一さんです。
仕事の幅が広い……!
『今日は何の日? 366日大事典』
校内放送研究所:編
あかね書房

今日は何の日? 366日大事典: 放送委員会のヒントがいっぱい!
- 作者: 校内放送研究所
- 出版社/メーカー: あかね書房
- 発売日: 2017/12/20
- メディア: 大型本
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4/1は宝塚歌劇団がプールを改造した劇場で初公演した日
宝塚歌劇団は、女性だけが出演する~
記念日は「トレーニングの日」
著名人の誕生日は、親鸞とビスマルク
クイズ:今日は、エイプリルフール。この日だけは、「罪のない○○」が許されています。それは何でしょう?
といった情報が、366日分載っている本です。
豆知識のコーナーもあり、「4月1日生まれが早生まれになる理由」や「ゴールデンウィークと呼ばれるようになった理由」といった季節や行事的な話も載っており、ふつうに読んでいても、けっこう楽しめます。
放送委員会のヒントがいっぱい、と題名にも付いていますが、もちろん、他の委員会でも使えると思います。
先ほどの豆しばの本でも紹介した豆ちしきのコーナーで、この本から、その日がどんな日なのか、なんの記念日とされているのか、を書いたりもします。
子どもたちが真っ先にやることは、自分の誕生日がどんな日なのかを調べる、ということです。
良い感じのことが書いてあれば喜びますし、悲惨なことがあった日もあります。
じゃあ、友だちのだれだれの誕生日は? と言って、ほかのページにも進んでくれます。
ちなみに、私の誕生日は「初の外国人横綱が誕生した日」です。
どんなふうに受け取っていいかわからない日でした。
『未来の扉をひらく 偉人のことば』
新星出版社
・オンリーワンであることを応援してくれることば
・自分を見つめ直したくなったときのことば
・くじけそうになったとき背中を押してくれることば
・チャレンジする人を応援することば
というチャプターに分けられており、全部で100人分の名言が収録されています。
その名言を残した人物が、どういった人生を歩んできたのか、また、どういう場面でこの名言を口にしたのか、といった解説も充実しています。
イラストや四コマ漫画もあって、字ばかりの名言集よりもずっと読みやすいと思います。
動画でも関連動画にとんで、また別の動画に、ということがネットではよくありますが、この本では、別の人が言った、似た名言も紹介されています。
名言から名言へと、いろんな偉人へと興味の幅を広げていくことができます。
100人もいるので、なかにはこの人だれ? という人もいるんですが(自分が知らないだけかも)、それはそれで、いい勉強です。
五年生になると、伝記を読んだりする単元があるかと思います。
この偉人の本から、気になった人の伝記を読んだり、名言を探したり。
個人的には、
他人の芸を』を見て、あいつは下手だなと思ったら、そいつは自分と同じくらい。同じくらいだなと思ったら、かなり上。うまいなあと感じたら、とてつもなく先へ行っている。
という、古今亭志ん生さんの名言が胸に響きました。
謙虚さを忘れてしまう度に、思い出したい言葉です。