本棚のすき間

絵本や小説、図書館についてなど、本全般について書いています。

【罪悪感】とたたかう子どもに読んでほしい絵本

f:id:nahdaan:20181201095853j:plain

悪いことをした、しているという自覚があっても、その後どうすればいいかわからずに、うやむやにしてしまったり、かくしてしまったり。

この『いじわるなないしょオバケ』という絵本の主人公、サラも、お母さんの真珠のネックレスをこわしてしまったものの、正直に言うことができずにタンスの奥にかくしてしまう。

いじわるなないしょオバケ

いじわるなないしょオバケ

  • 作者: ティエリーロブレヒト,フィリップホーセンス,Thierry Robberecht,Philippe Goossens,野坂悦子
  • 出版社/メーカー: 文溪堂
  • 発売日: 2009/06/01
  • メディア: ハードカバー
  • 購入: 1人 クリック: 3回
  • この商品を含むブログ (6件) を見る
 

www.nahdaannun.com

悪いことをして、それを隠そうとうそをつく。

うそがまた次の問題を生み、また違ううそをつく。

うそは積み重なって、心が、そのうそに押しつぶされそうになっていく。

そういう経験は、きっと、だれしもが持っているのかも。

子どものころって、勢い余ってついなにかをしでかしちゃって、そのあとなにをするのが一番良いのかわからなくって、つい隠したり、なかったことにしてしまったり。

うそをついて、ひとを傷つける、ということももちろんある。

このサラのように、じぶんのついたうそで、じぶんが苦しみ、身動きが取れなくなる、ということも。

経験から多くのことを学ぶだろう子どもたちが、ほかの子もじぶんと同じようにうその重荷を知っているということに触れる。それは、現実ではなかなかまれな機会。

この絵本は、そういうきっかけをくれる。

 

先日、児童会の時間があり、そこに久々に見る委員の子の顔が。

長いこと当番活動に出てきておらず、担任の先生にも相談し、本人にも話をしてあった四年生の女の子。

 

思いつめたような顔で、みんなが座っている席の方には来ずに、じっとこちらを見つめている。

行ってみると、不安げに「先生ごめんなさい」と言う。

当番活動をサボってしまい、その罪悪感から行くのが気まずくなってずるずると来てしまったらしい。

しまいには泣きはじめ、しゃがみこむ。

 

先生に怒られると思って、こわくて来られなかった? ときくと、首を横にふる。

担任の先生に怒られるのがこわかった? ときいても、ちがうと言う。

じゃあだれに? ときくと、「同じ日の当番活動の、ほかのひとに怒られるんじゃないかと思って」と。

 

その、気の向かわせ方は正しい、と思った。

その子がカウンターの仕事をしなければいけないときには、ほかのだれかが代わりにやってくれていたのだし、返却された本だって、べつのだれかが代わりに棚に戻してくれていた。

迷惑をかけていたのはだれか、という点では、それが一番大きい。

 

まあ、司書も困っていたといえば困っていたのだけれど、この際それは抜きにして。

 

結局、その日は児童会の席に着くことができなかった。

それくらい、みんなの前に顔を出すのがこわかったみたい。

 

悪いと思っているから涙が出るんだと思うし、先生はその涙と〇〇さんのごめんなさいという言葉を信じたい。

来週からどうすればいいかは、わかるよね?

 

というようなことを話したら、泣きながらうなずいてくれた。

あとはもう、来週からの彼女の行動を待つしかない。

 

当番活動なんてどうでもいいし、サッカー行こうぜ、というような形でサボっている委員だったなら、もっと頭ごなしに叱っていたりしただろうけども。

こういう、一度悪い方に身体が向いて、そこから抜け出せなくなってもうどうにもならなくて、という経験は、だれしも持っていると思う。

 

もう12月になるし、このままかなあ、と思っていたので、きちんと話をしに来てくれてよかった。

そんな一日。