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冬におすすめの絵本15選【クリスマス】【読み聞かせ】

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冬に読みたい、読み聞かせたい絵本15選

こんにちは。

今回は、冬にぴったりの絵本を15冊、一気に紹介していきます。

読み聞かせやプレゼントの参考にしてみてください。

 

『十二支のはじまり』

岩崎京子:文 二俣英五郎:画

教育画劇

十二支のはじまり (日本の民話えほん)

十二支のはじまり (日本の民話えほん)

 
あらすじ

むかし、ある年の暮れに、神様が動物たちにおふれをだしました。

それは、正月の朝に、ごてんに来るように、というものでした。

そうしたら、来たものから順番に十二番まで、その年のたいしょうにする、と。

 

どうぶつたちは、じぶんこそが一番乗りと、おおさわぎしました。

 

ねこがねずみに質問します。

「かみさまのところにあいさつにいくのはいつだったっけ」

「あのねえ、しょうがつの、二日だよ」

ねずみはわざと一日おくらせてねこに教えました。

 

前のばんから、ごそごそしたくをしているうしに、ねずみがもうでかけるのかとききました。

うしは、じぶんはのろいから、いまから行けばちょうどいいのだと言います。

 

それをきいたねずみは、こっそりうしの背中にとびのりました。

ゆらゆら、ゆりかごのようなうしの背中で、ねずみはうとうとしてきます。

 

やがて、朝になって、ごてんの門が開きました。

その目の前で待っていたうしは、よっこらしょ、と立ち上がると、ひょいっとねずみが門をくぐっていきました。

「一番乗りだ」

やれやれ、うしは二番になってしまいました。

 

その後も、動物たちがごてんの門を目指してかけてきます。

果たしてどのようにして、十二支の順番にごてんにたどり着いたのでしょう?

 

おすすめポイント

日本の民話絵本です。

お正月になると、年賀状や切手の絵、開運グッズなどとなって活躍する、十二支の由来がわかる絵本です。

犬は入っているのに、どうしてねこは入っていないの? という疑問を持つ子どもも多いかと思います。

そんな子どもに、この絵本は明快にその理由を教えてくれます。

 

子どもだけでなく、大人も知らないのではないでしょうか?

足の速さだけだったら、イノシシはもっと前にいそうですし、ヘビなんかは圏外になりそうですが、その辺りの経緯もわかります。

 

素朴で親しみやすい絵で、余計なことはあまり描かれていません。

その分、動物たちの表情や、走るスピード感等に目がいくようになっている気がします。

 

お正月の前に、子どもといっしょに読んでいただきたい絵本です。

 

『十二支のおはなし』

内田麟太郎:文 山本孝:絵

岩崎書店

十二支のおはなし (えほんのマーチ)

十二支のおはなし (えほんのマーチ)

 
おすすめポイント

こちらの絵本、先ほどの『十二支のはじまり』と内容はほぼ同じですが、その読み味がかなり違っています。

表紙の絵からも伝わってくるかもしれませんが、干支の絵はかなり面白くキャラクター的に描かれ、中もどちらかというとマンガ系の絵となっています。

 

犬とサルがケンカをしているページなんて、まるで中国雑技団の技のようにアクロバティックな状態となっていたり、なるべく大げさに描かれている、という印象です。

 

子どもたちからすると、こちらの方が面白いし楽しい、という意見が多くありそうです。

 

どちらの絵本も、楽しみながら干支について学べるのはたしかです。

あとは絵や全体の雰囲気等でお選びいただければ、と思います。

 

 

『クリスマスにくつしたをさげるわけ』

間所ひさこ:作 ふりやかよこ:絵

教育画劇

クリスマスにくつしたをさげるわけ (行事の由来えほん)

クリスマスにくつしたをさげるわけ (行事の由来えほん)

 
あらすじ

クリスマスには、もみの木をかざり、まくらもとにくつしたを下げてねむります。

「サンタクロースのおじいさん、くるかな? くるかな?」

みんながまっているクリスマスの、そのまえの夜、くつしたを下げてねるのはどうしてでしょう?

 

むかし、ミュラというまちに、ニコラスという男の子がいました。

お父さんが町じゅうで一番のお金持ちだったので、ニコラスは、おもちゃもおかしも、なんでもあまるほどもっていました。

けれども、ニコラスはちっともわがままでない、心のやさしい子どもに育ちました。

 

それは、小さいときから神さまの教えを信じていたからです。

 

やがて、大人になってからも、ニコラスさんはその教えを忘れてはいませんでした。

「神さまは、おたがいにたすけあえ、わけあえ、とおっしゃっている。わたしはじぶんの財産をのこらずまずしいひとたちのために使うことにしよう」

そう思っていたニコラスさんは、ある日、町の人たちのうわさばなしを耳にしました。

 

それは、三人の子どもがいるある家族の主人が、仕事がうまくいかなくてすっかり財産をなくしてしまい、子どもの結婚のしたくもしれやれないらしい、というものでした。

 

そんな親子の話をきいたニコラスさんは、ある晩にこっそりその親子の家に行きました。

 

「どうぞ、そのひとたちが幸せになれますように」

と、ニコラスさんは、金貨の入ったふくろを、開いていた窓から部屋のなかに投げ込みました。

 

すると、金貨のふくろは、洗濯して暖炉のそばにつるしてあったくつしたのなかに、チャリーン……。

 

それはとても小さな音でした。

なので、ねむっていた親子は少しも気づきませんでした。

 

次の日の朝、目をさました親子はびっくりしました……。

 

そのお金のおかげで、まずは一番年上の娘の結婚式を挙げることができました。

お父さんも、娘たちも、感謝と喜びで胸がいっぱいでした。

でも、このことを知って、だれよりも一番うれしく思ったのは、ニコラスさんでした。

 

その後も、ニコラスさんは下の娘たちのために、金貨のふくろを窓から投げ込みます。

そして、三回目にその親子の家に行ったときに……

 

おすすめポイント

題名の通り、クリスマスにくつしたをさげるわけ、がわかる絵本です。

最近ではくつしたにプレゼント、というのはあまり見聞きしなくなったような気もしますが、どうなのでしょう?

それでも、クリスマスには決まって、くつした、の飾りがあるので、それと結びつけて、子どもたちにその理由を教えてあげるのもいいかと思います。

 

みんなが大好きなクリスマス。

配られるプレゼントやサンタクロースというものが、こうしたお話をもとに風習となっていったというのを知ると、その季節・行事がより楽しめるかもしれません。

 

じぶんの財産を、まずしい人々のために使おうと思い、まずは身近でこまっているひとの助けになる。

そんなニコラスさんのような人は、いまの日本にもいるのでしょうか?

 

クリスマスを迎える前に子どもといっしょに読んで、こういう風にしてできた行事なんだよ、と話したくなる一冊です。

 

 

『マスク』

福井智:作 林なつこ:絵

童心社

マスク (絵本・こどものひろば)

マスク (絵本・こどものひろば)

 
あらすじ

ブタくんが、いいものを見つけました。

それは、赤地に黄色い水玉もようのマスクです。

 

「これで、はなをかくそうっと」

ブタくんはじぶんのはなが好きではありませんでした。

 

そこへネコさんがやって来て、先にマスクをかけてしまいました。

「わたしに似合う?」

とネコさんにきかれ、ブタくんは答えます。

「ぼくのだいすきなぴくぴくっと動くネコさんのおひげがみえなくなっちゃった」

ブタくんが残念がると、ネコさんはマスクを外して行ってしまいました。

 

今度はウサギさんがはねてきて、マスクをかけました。

でも、ブタくんはウサギさんのおはながかくれてしまうのが残念そうです。

ウサギさんも、マスクを外して行ってしまいました。

 

次に、タカさんがばっさばっさととんできて、マスクを上手に顔にあてました。

でも、ブタくんはタカさんのかっこいいくちばしがよくみえなくて、残念がります。

タカさんも、マスクを外して行ってしまいました。

 

その後、犬も同じようにしてマスクを置いていくと、もうだれもやってきませんでした。

ブタくんはそうっとマスクをかけると、うれしくなって、スキップをしました。

 

でも、それを見てネコさんやタカさんは……?

 

おすすめポイント

誰しもが持っているであろうコンプレックスというものに対する自虐的な気持ちをやさしく包みこんでくれるような絵本です。

 

マスクをしたネコさんやウサギさんに、ブタくんはかくれてしまった彼らのいいところを残念がります。

それは、彼ら自身では気づいていなかった魅力なのでしょう。

 

同じように、ブタくんも、マスクをしてじぶんでは好きじゃないはなをかくそうとします。

でも、それは、ほかのひとから見たら……と、自意識の外に一歩出てみる、ということを教えてくれるのが、この絵本の素晴らしいところです。

 

じぶんで思っているほど~ということは、よくあることだと思います。

大人になればなるほど、そうした自意識が過剰になったりする気もしますが、子どもにだって、きっと、そういうことはあるのでしょう。

 

そうしたことで悩んでいたり、立ち止まっていたりする子の小さな勇気になったらいいな。

そんな風に感じさせてくれた一冊でした。

 

 

『ふゆですよ』

柴田晋吾:作 降矢なな

金の星社

ふゆですよ (四季のえほん)

ふゆですよ (四季のえほん)

 
あらすじ

「こんにちは ふゆはもうきましたか?」

 

「こんにちは ふゆですよ」

もりでは、親子がたきぎをあつめています。

 

山ではスキー場のリフトが。

田んぼでは、つめたい風が。

 

川では、かもたちがえさをさがしたり、羽をやすめたり。

みずうみには、はくちょうたちが、遠い北の国から。

 

町は、かいものをするひとたちでいっぱい。

公園では、自転車が、ばりばりとしもばしらをふみつけます。

 

「こんにちは ふゆですよ」

 

 

おすすめポイント

物語はほぼ無いと言っていいでしょう。

この絵本は、主にいなかの冬の風景が描かれています。

いろいろな場所における、冬の営み。

そんな、白を基調として切り取られた風景の一片一片が、しずかに、頭の中に入ってきます。

 

読んでいると、つもった雪の上を歩くときの、ざく、ざくっという音が聞こえてくるようです。

冬のさなかに、まったりと冬の風景を絵本で楽しむ。

こたつに入ってページをめくってほしい一冊です。

 

 

『ファーディのクリスマス』

ジュリア・ローリンソン:作 ティファニー・ビーク:絵 木坂涼:訳

理論社

ファーディのクリスマス

ファーディのクリスマス

  • 作者: ジュリアローリンソン,ティファニービーク,Julia Rawlinson,Tiphanie Beeke,木坂涼
  • 出版社/メーカー: 理論社
  • 発売日: 2011/10/01
  • メディア: ハードカバー
  • この商品を含むブログを見る
 
あらすじ

きょうはクリスマス・イブです。

さむくても、いつもの散歩にでかけたファーディは、足でうすい氷をぱりぱりわりながら元気よく丘をくだっていきました。

 

でも、閉じられた青いドアの前で、立ち止まります。

そこは、ウサギたちがついこのあいだまですんでいた家なのです。

 

「ウサギさんたちのあたらしい家に、サンタさん、いけるかなあ……」

とファーディは心配になってきます。

もし、サンタさんがいけなかったら、と考えると、ファーディはさみしい気もちになりました。

 

「そうだ! やじるしだ」

とファーディは思いつきます。

ウサギさんたちのあたらしい家まで、えだでやじるしを作っていくことにしたのです。

 

やじるしを作っている途中で、リスに声をかけられると、ファーディはそのアイデアを話します。

すると、リスは「ぼくもてつだうよ」と言って、いっしょにやじるしを作ってくれました。

 

青いとりや、ねずみたちも、同じように、ファーディの話をきくと、こころよく協力してくれます。

 

やがて、ウサギさんたちのあたらしい家に着くと、おどろいたウサギさんたちが、おちゃやおかしをごちそうしてくれました。

みんながおしゃべりに夢中になっているころ、外では雪がはらりふわり。

 

ファーディたちが家に帰ろうとドアを開けると、そこは一面の雪景色。

地面に置いてきたえだのやじるしも、みんな雪の下です。

「あんなにみんなでがんばったのに……」

みんながっかりしてしまいますが、ファーディはあるいいことを思いつきます。

 

それはいったい、どんなことなのでしょう?

 

おすすめポイント

ファーディがやさしい。

とにかく、やさしすぎます。

 

友だちのことを思って、せっせとえだでやじるしを作って、ほかの友だちにも協力してもらって、やっとのことで、ウサギさんたちのお家に到着。

でも、まさかの雪。

泣いてしまいそうなくらいかなしいできごとに、ファーディはめげません。

別の案を考え、みんなに提案します。

そんな風に、だれかのことを思って行動をして、それに全力を注いで、もしも上手くいかなかったら、じゃあこうしてみよう、と。

 

そんな風に生きてみたいです。

きっと、そんな生き方をしているからこそ、ファーディは友だちにすぐ協力してもらえたり、楽しい日々を過ごしていたりできるのでしょう。

 

ほっこりのラストに癒されます。

他にも、ファーディシリーズの絵本が出ています。

ファーディとおちば

ファーディとおちば

  • 作者: ジュリアローリンソン,ティファニービーク,Julia Rawlinson,Tiphanie Beeke,木坂涼
  • 出版社/メーカー: 理論社
  • 発売日: 2006/10
  • メディア: 大型本
  • クリック: 3回
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ファーディのはる

ファーディのはる

  • 作者: ジュリアローリンソン,ティファニービーク,Julia Rawlinson,Tiphanie Beeke,木坂涼
  • 出版社/メーカー: 理論社
  • 発売日: 2009/03/01
  • メディア: 大型本
  • クリック: 1回
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『クリスマスのふしぎなはこ』

長谷川摂子:文 斎藤俊行:絵

福音館書店

クリスマスの ふしぎな はこ (幼児絵本シリーズ)

クリスマスの ふしぎな はこ (幼児絵本シリーズ)

 
あらすじ

ある日、男の子は家の軒下で、はこを見つけました。

開けてみると、中には、サンタさんがいて、ねむっていました。

 

男の子はサンタさんのはこをへやに持ち帰って、ベッドの下にかくしてしまいました。

 

「ねえ、おかあさん。サンタさん、もうしゅっぱつしたかなあ」

男の子がきくと、お母さんが、

「そうねえ、サンタさん、おねぼうしてないといいけどねえ」

と答えました。

 

それをきいて、男の子はこっそり、サンタさんのはこを見にいきました。

 

そっと開けてみると……

 

だいじょうぶ。

サンタさんは、大きなふくろを背負って、これから出発するところだった。

 

男の子は庭に出て、飼っている犬と遊びました。

でも、しだいにまた不安になってきて、

「ねえ、おかあさん、サンタさん、もうそりにのってはしってるかなあ」

とお母さんにききます。すると、

「そうねえ、サンタさん、こおりのうみにながされてないといいけどねえ」

とお母さんは答えます。

 

それをきいて、男の子は急いでサンタさんのはこを見にいきました。

そっと開けてみると……

 

だいじょうぶ。

サンタさんは森のなかをちょうとっきゅうではしってる。

 

その後も、男の子はサンタさんがいまどうしているかが気になって気になってしかたがありません。

そのたびに、サンタさんのはこを見にいくと、ちゃんと、サンタさんはプレゼントを配ってまわっているようでした。

 

男の子の家にも、サンタさんは来てくれるのでしょうか?

 

おすすめポイント

ふしぎなはこの中で、リアルタイムのサンタさんが動いている……!

そんなふしぎで楽しいはこがあったら、もう、ずーっと見ていてしまいそうです。

 

朝が昼になり、昼が夕方になり、と、時間が経つにつれ、いやがおうにもわくわくそわそわの期待感が増していきます。

ふしぎなはこをのぞきこむと、サンタさんが少しずつじぶんの町に近付いてきているようで、時間の経過とリンクしているのが楽しいです。

 

早く、明日の朝にならないかな、というあの楽しい気持ちを、大人はなつかしく思い出し、子どもは共感しながら読める一冊です。

 

 

『しずかなしずかなクリスマス・イヴのひみつ』

クレメント・クラーク・ムーア:詩 アンジェラ・バレット:絵 石井睦美:訳

BL出版

しずかなしずかなクリスマス・イヴのひみつ

しずかなしずかなクリスマス・イヴのひみつ

  • 作者: クレメント・クラークムーア,アンジェラバレット,Angela Barrett,Clement Clarke Moore,石井睦美
  • 出版社/メーカー: BL出版
  • 発売日: 2012/11/01
  • メディア: 大型本
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あらすじ

ねずみだってねむっている、しずかな、クリスマス・イヴの夜です。

だんろの前には、ちゃんとくつしたがかけてあります。

もちろん、サンタクロースが来ることを願って、です。

 

ふとんにすっぽりくるまった子どもたちは、さとうがしのようせいがとびはねているゆめをみています。

お父さんとお母さんも、ねむりについたところでしたが、ふと、外からカタカタと音がしてきました。

お父さんはベッドからとびおき、まどべに行って、カーテンをひらきました。

まどをあけると、そこには、あたらしくふりつもった雪が一面に。

そして、八頭のちいさなトナカイと、そりにのったおじいさんの姿が見えました。

 

ああ、サンタクロースだって、お父さんにはすぐにわかりました。

屋根の上へとかけ上がるトナカイたち。

サンタクロースは、それから、何をしたのでしょうか……?

 

おすすめポイント

THEクリスマス絵本という感じで、家にやって来たサンタクロースのお手本のようにお話は進んでいきます。

びっくりするような展開や、意外なラストなんかはありませんが、クリスマスというもののイメージを作るのにはうってつけの一冊です。

 

 

 

アナベルのふしぎなけいと

アナベルとふしぎなけいと

アナベルとふしぎなけいと

  • 作者: マックバーネット,ジョンクラッセン,Mac Barnett,Jon Klassen,なかがわちひろ
  • 出版社/メーカー: あすなろ書房
  • 発売日: 2012/09/01
  • メディア: 大型本
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あらすじ 

雪のつもったある寒い日、アナベルははこをひろった。

なかには色とりどりのきれいな毛糸が。

 

うちに帰ったアナベルは、その毛糸で、セーターをあんだ。

でも、まだ毛糸がのこっていたので、いぬのマースのセーターもあんだ。

 

それでも毛糸はまだのこっている。

 

近所の友だちのネイトとネイトの犬のセーターをあんでも、クラスメイトと先生のセーターをあんでも、それでもけいとはまだのこっていた。

 

まちじゅうが、アナベルの毛糸の色にそまっていった。

 

やがて、ふしぎな毛糸の話は世界じゅうに広まり、ある日、おしゃれなことで有名な王子が海の向こうからやって来た。

百万ドルはらってもいいから、その毛糸を売ってくれ、と言われたアナベルは首をたてにはふらなかった。

 

でも、王子はどうしてもふしぎな毛糸がほしかったので……

 

おすすめポイント 

寒々としたモノトーン調だった風景が、カラフルな毛糸によってあたたかく彩られていきます。

それが、人々のかたくなな心が、アナベルのセーターによってやさしくとかされていくようで、雪どけを感じさせます。

 

ほっこりするエピソードが続いてからの、いかにも強欲そうな王子の登場。

次のページが気になって、めくると……

 

そのひとが持っているからこそ、そこに特別な意味が生まれるものって、きっとあると思うんです。

それが、アナベルにとっては、このふしぎなけいとだったのでしょう。

自分にとって、それはなんだろう? と考えさせてくれます。

 

ラストはにんまりして、本を閉じることができます。

 

 

ねむるまえにクマは

ねむるまえにクマは

ねむるまえにクマは

  • 作者: フィリップ・C.ステッド,エリン・E.ステッド,Philip C. Stead,Erin E. Stead,青山南
  • 出版社/メーカー: 光村教育図書
  • 発売日: 2012/12/01
  • メディア: 大型本
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あらすじ

冬が近づいてきて、ねむくなってきたクマでしたが、ねむるまえに、みんなに話したいことがありました。

 

そこにいたネズミに話しかけてみますが、ネズミは「木の実を集めておかなくちゃ」と、いそがしそうです。

クマはネズミといっしょに木の実をさがし、集めおわると、ネズミは「じゃあ、またね!」と言って、土の中にもぐっていきました。

 

森の中を歩いていくと、カモがいたのでまた話しかけました。

「南のほうへいかなくちゃ」とカモが言うので、クマは風向きをしらべてあげ、飛んでいくカモを見送りました。

 

カエルも、モグラも、クマの話をきいてはくれませんでした。

 

やがて冬が来て、雪がふりはじめます。

 

クマくんの話はだれかにきいてもらえるのでしょうか。

そして、その話したかったことというのは、なんだったのでしょう。

 

おすすめポイント

話したいことがあるのに、みんな忙しくて、だれもきいてくれない。

そのさみしさよりも、クマはこころよく、みんなの冬越しのお手伝いをします。

なんて健気でお人よしでやさしいクマなの……と、ここで癒しポイントが大幅に加算されます。

 

ちょっときいてよ、というときに、相手が忙しい。

日々の生活の中でも、よくあることです。

でも、そんなとき、じぶんの話したい気持ちよりも、相手の大事なことによりそうことができるような人でありたい、と思いました。

 

最後はなんとも言えない、胸にジーンとくるものが……

こんな風に、おだやかに生きてみたいものです。

 

 

ネコとクラリネットふき 

ネコとクラリネットふき (おはなし広場)

ネコとクラリネットふき (おはなし広場)

 
あらすじ

しごとからもどると、ドアの前にねこがすわっている。

ネコはかってにへやに入っていきますが、ミルクものまないし、あじのひものも食べません。

 

ぼくはクラリネットをふきはじめます。

そうして、れんしゅうが終わって、おどろきました。

ネコが、先ほどより大きくなっていたのです。

 

つぎの日も、そのつぎの日も、ぼくはクラリネットをふきました。

クラリネットの音をきいたネコは、そのたびに、大きくなっていきました。

 

やがて、ネコはもう、ドアから出ていくことができなくなってしまいました。

クラリネットの音をきき続けるネコは、どうなってしまうのでしょうか。

 

おすすめポイント

大きなネコのおなかや背中でねむったりくつろいだり、ネコ好きにとっては夢のようなシチュエーションを想像の中で体感できる絵本です。

 

ありえない、を楽しむのが絵本の醍醐味の一つでもあると思うのですが、この絵本はまさにそんな楽しさにあふれています。

クラリネットの音色を聴くたびに大きくなっていき、特に収拾がつくでもなくどこまでもファンタジーで終わるのが個人的には面白かったです。

 

ネコを飼ったことがないので想像ですが、きっと、あったかいのでしょうね……

ネコを飼っている方は子どもと、ねこもいっしょに読んでいただきたい一冊。

 

 

おじゃまなクマのおいだしかた

おじゃまなクマのおいだしかた

おじゃまなクマのおいだしかた

  • 作者: エリックパインダー,ステファニーグラエギン,三辺律子
  • 出版社/メーカー: 岩崎書店
  • 発売日: 2016/02/19
  • メディア: 大型本
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あらすじ

ある寒い日に、トーマスがクッションや毛布を集めて、あたたかできもちのいいほらあなをつくりました。

 

本を読もうと思ったけど、暗いので、懐中電灯をとりにいき、もどってみると、ほらあなの中に、なにかがいるようでした。

おおきいぞ!

 

トーマスはそっと中をのぞきこみました。

するとそこには、クマが……!

 

クマを追い出すために、ブルーベリーでクマをおびき出したり、きもちよさそうにまごの手で背中をかくところをみせつけたり、トーマスはいろいろな方法を試みます。

 

でも、クマはなかなか強敵です。

 

トーマスはクマをおいだすことができるのでしょうか。

そして、クマというのはほんとうにほんとうにクマなのでしょうか……?

 

おすすめポイント

ひたすら癒される絵本です。

クッションや毛布でほらあなを作り、そこでくつろごうとするトーマスにも癒されますが、そこに突然現れるクマに、さらに癒されます。

 

あの手この手でクマを追いだそうとするトーマス。

その努力のしかたもとってもかわいくて、でもその先をいくクマがさらにかわいくて。

 

オチを読んだら、きっと、もう一度読み返したくなります。

小説でもそういう作品って、いっぱいありますが、この絵本はすべてを知ってから読み返すと、より癒される、という作品です。

 

癒されたい人は、とにかくこの絵本です。

 

 

クマと森のピアノ

クマと森のピアノ (ポプラせかいの絵本)

クマと森のピアノ (ポプラせかいの絵本)

  • 作者: デイビッドリッチフィールド,David Litchfield,俵万智
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2017/10/03
  • メディア: 大型本
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あらすじ

森の中で「へんなもの」を見つけたブラウンは、おっかなびっくりそれにふれてみます。

すると、ぽろん、と音がします。

気になったブラウンは次の日も、その次の日も「へんなもの」をさわりにやって来て、やがて、なかよしになります。

 

森にやって来た親子にそれが「ピアノ」であることを教えてもらい、また、都会に行けばもっといろんな音楽を聴けるし、有名にもなれると言われ、ブラウンは迷います。

森の仲間たちはなんて言うだろう……。

 

でもブラウンは都会に行きました。

 

そして、またたく間に人気者になり、ホールでコンサートをするほどのピアニストになったのです。

でも、ブラウンは思いました。「なにかがちがう。なにかが足りない」と。

ブラウンは森に帰りました。けれど森の様子が前とは違っていて……。

 

おすすめポイント

こちらの記事で、堂々の第一位を獲得した絵本です。

www.nahdaannun.com

まずは絵がきれい。どのページも美しくって、ながめているだけでもその素敵さにうっとりしてしまいます。

書店で見かけた際にはぜひ開いてみてください。

ほかにあまり見たことのないタッチの絵本で、驚かれるかと思います。

 

そしてなんといってもストーリー。

最初は、興味本位でしかなかったものが、次第に、習慣になり、好きなものになり、特技になって大勢の仲間たちに認めてもらえるようになる。

それだけでも、十分幸せなことです。

でも、人というのはかなしいことにそれだけでは満足できないようになってしまうのですね。

 

ブラウンが森の外の世界で、自分の力を試したり、もっと広い世界(知らない音楽)に触れてみたいと思うようになるのは必然なのでしょう。

でも、そこにある仲間との別れ。

 

心の穴は、森の外で得られるたくさんの拍手では埋められません。

大切なものは、数ではないのでしょう。

森に帰ったブラウンが見た光景に、私も涙がこぼれそうでした。

 

変わるものと変わらないもの。

追いかけたいものがある者とそれを見守る者。

 

ちょっといままで読んだことがないくらい、すてきな絵本です。

 

 

いじわるなないしょオバケ

いじわるなないしょオバケ

いじわるなないしょオバケ

  • 作者: ティエリーロブレヒト,フィリップホーセンス,Thierry Robberecht,Philippe Goossens,野坂悦子
  • 出版社/メーカー: 文溪堂
  • 発売日: 2009/06/01
  • メディア: ハードカバー
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あらすじ

ママのへやにはいいものがいっぱいあるけれど、ひとつだけ、さわっちゃいけないものがある。

それは、引き出しにしまってある、しんじゅの首飾り。

 

さわってみたくなったサラは、こっそりママのへやにしのびこみ、首飾りを手に取った。

けれど、首にまいたとたんに、ぷちん。

しんじゅがへやじゅうに転がった。

 

どうしよう。サラはしんじゅを集めて、ひきだしのうしろに隠してしまう。

 

次の日、サラがしずかにしていると、口からオバケがとびだした!

オバケはこわした首飾りのことをうたっているけど、ママには聞こえないし、オバケの姿も見えないみたい。

 

ねむれないよる、ベッドのまわりをぐるぐるしているオバケに話しかけた。

すると、オバケは、みんながないしょにしたいことばをくりかえす、ないしょオバケだという。

 

次の日も、サラはママにうそをついてしまう。すると、また新たなオバケが口からピョコン。

次第に、サラのまわりにないしょオバケは増えていく。

 

もういやだ。

サラは、本当のことを言えるのか。ないしょオバケはどうなっちゃう?

 

おすすめポイント

正直に言わなくちゃいけないのに、言いだせなくて、うそがうそを呼んでどんどん逃げ場がなくなっていく。

そんなだれしもが一度は経験したことがあるような苦しみを、かわいらしいないしょオバケが思い出させてくれます。

 

ないしょにしたいことを、本人だけに聞こえるようにくり返す、なんて、相当いじわるなオバケのようにも思いますが、結局のところ、正直に言ってしまわなければその苦しみからは解放されません。

そうするように、ないしょオバケが背中を押してくれている。

そう思うと、ちょっぴりいじわるなないしょオバケも悪くないように思えました。

 

うそをつくと、人との間に距離が生まれます。

それは、うそをついた自分自身が作ってしまう距離です。

 

作品の中でも、サラが、ママやパパに甘えられないでいます。

ついてしまったうそも、吐きだしてごめんなさいしてしまえば、その安心できるひざの上にいられる。

そんな、はじめてのうそがまだ胸につっかえている子どもといっしょに読みたい一冊です。

 

あかり

あかり

あかり

 
あらすじ

あたらしいろくそくに、はじめての火が灯った。

生まれてはじめて照らしたのは、生まれてまもない赤ちゃんと、幸せそうに笑っている家族だった。

 

お母さんが、子どものしあわせを願って作ったろうそく。

大切な夜にだけ、火を灯す。

 

次に火をつけてもらったのは、赤ちゃんの一才の誕生日。

少し大きくなった赤ちゃんを、ろうそくの火はやさしく照らし出す。

 

女の子は、大切な日ごとにろうそくにあかりを灯してもらい、成長していった。

ろうそくは反対に、少しずつ小さくなっていった。

 

 

さいしょはしあわせなときを照らすあかりだったのが、いつしかつらいときに寄りそうあかりになっていた。

くらやみがこわい夜や、けんかしてだれの顔も見たくない夜。

ひとりぼっちの夜。

 

やがて女の子は大人になり、家を出ていくときが来て……

 

おすすめポイント

人生に寄り添いながら、そのからだを小さくしていくろうそく。

そんな存在というのは、きっと、誰でもなにかひとつ、持っていたりするのではないでしょうか。

 

小さなころから捨てられずに、時々押入れからとり出してはながめるもの。

昔作った小さな箱に、ずっと大切にしまってあるもの。

 

あの頃の記憶をその身に閉じ込めたまま、持ち主といっしょに長い時間を過ごしてきたもの。

 

この絵本の中では、それが、お母さんから贈られたもの、というのが、またいいんですよね。

母親のあたたかさが心に沁みます。 

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

この冬に読みたい、読み聞かせたい一冊は見つかりましたか?

クリスマス系の絵本は本当にいろいろと出ていて楽しいですね。

またいつか、冬の絵本紹介記事パート2も書きたいなと思っています。

www.nahdaannun.com

季節関係なく、読み聞かせにおすすめの絵本の記事もありますので、よければこちらも参考にしてみてください。

 

読んでいただき、ありがとうございました。 

それではまた。