本棚のすき間

読書・書店・学校図書館についてのあれこれ

小学校の図書館で文芸コンクールを開催した結果

小学校では珍しいのかもしれませんが、私の勤務校の図書館では、文芸コンクールを開催しています。

初任の年に始めてから、今年で三年目です。

と言っても、異動してきたので、今の学校では今回が初めてになるのですが。

 

なんでもそうだと思うんですが、見たり聞いたり、読んだり受けとったりするだけの立場から、書いたり歌ったり、作ったり表現したりする立場に身を置いたとたんに、見える世界が変わる、ということがあると思います。

小説を読むのが好きで、実際に自分でも書いてみるようになってから、読書の仕方が大きく変わった、という方も、大勢いらっしゃるのではないでしょうか。

 

より深く、いろいろな方面から味わうことができる、という効用は、確かにあるように思うのです。

 

それで、子どもたちにも、ぜひ、作り手側になってもらいたい、という思いから、小学校での文芸コンクールを始めました。

図書の時間なんかに、お話を書いてみたい人ー? ときいたりすると、結構手が挙がります。

それで、これは期待できるな、と思って、締切を設定して、子どもたちの作品を待っていると、なかなか来ない。

きくと、書きたい気持ちはあったんだけど、上手く書けなかった、完成させられなかった、という児童がたくさんいました。

 

そりゃそうですよね。

大人だって、小説を書き上げる、となると、そうそう簡単にいくものではありません。

 

でも、今年、期待を大幅に上回るような作品が届いたのです。

もう、最後の一行を読んだ時には鳥肌が立ちました。 

響?小説家になる方法? コミック 1-10巻セット

響?小説家になる方法? コミック 1-10巻セット

 

こちらの『響』というマンガで、後に芥川賞と直木賞を同時受賞してしまう作品をたまたま読んだ編集者ががく然とするシーンがあるんですが、衝撃で言うとそれくらい大きなものでした、ほんと。

 

一応、文芸コンクールなので、最優秀賞や優秀賞を決定し、賞状を贈ったりもする予定ではいますし、手作りで製本もするつもりでいます。

でも、それだけで終わりにしてしまうのはもったいない。

それくらい、素晴らしい小説でした。

 

権利とか倫理観とかいろんなことをもう忘れたふりをして、ネットにでも上げて、より多くの人にすぐにでも見てもらいたいくらいです。(だめ)

 

書いてくれた子は六年生の女の子なのですが、もう、三か月もすれば卒業していきます。

それまでの間に、自分に何ができるだろうかともんもんと考えています。

公募に出すように勧めてみる、というのが一番順当なやり方なのだろうと思ってはいるのですが、それが最善なのかはよくわかりません。

 

枚数的には原稿用紙換算で50枚もいかないくらいなので、すぐに書籍になるわけではないでしょうし、その長さでの募集をしている公募はあまりありません。

それも、小学生の部となると、なおさら。

 

でも、どうしても、彼女の作品は学内だけのものにしてしまいたくないのです……。

きっと、学校生活の中では、あのような作品づくりをする機会というのはなかったのではないでしょうか。

手前味噌ですが、今年度新しい学校に来て、文芸コンクールを開催してよかったと心の底から思いました。

彼女の才能を開花させる場として、開かれたと言っても過言ではないくらいです。

 

何を言っているのかよくわからなくなってきたことと思いますが、あの子の作品のこととなると、興奮してしまうようです。

どうするのがベストなのか、なるべく早く決めて、行動に移したいと思います。

 

学校司書として、これが、最後の大きな仕事かもしれない。 

こども小説教室

こども小説教室

 

最近図書館に入れた、子ども向けの小説創作術の本です。

なかなか面白かったので、また詳しく紹介できたらしたいと思います。

それではまた。