『いっぺんやってみたかってん』
『いっぺんやってみたかってん』
はっとりひろき:作
講談社
あらすじ
きょうはあめふり。
せやから、こうえんにはだ~れもおりまへん。
すなばから、すなくんがでてきて、
「なーなー。だ~れもおらへんし、ぶらんこくん、いっぺんあそばせてや~」
と言いました。
「ええけど、できんの?」
ブランコくんにきかれて、すなくんは、
「だいじょうぶだいじょうぶ。ほな、いくでー」
とブランコくんにのりました。
「ひゃっほー!!」
あめふりやから、砂もかたまっているとすなくんは言いますが、
ところどころすながとびちっています。
そこにやってきたすべりだいくん。
「え~な~。ぼくもやってみたいわ~」
「すべりだいくんはからだ大きいし、ちとむりとちがう?」
「できるできる。ほな、いくでー」
「うおおおおおおー!!」
「ちょっと、くるしいって。むちゃくちゃやん」
すべりだいくんはいったい、どんな風になってしまったのでしょうか?
三人はそのあと、すべりだいくんで遊んだり、すなくんであなほり大会をしたり、かくれんぼやおにごっこをしたりしました。
彼らは、それぞれの遊びを楽しめるのでしょうか?
感想
めちゃくちゃではちゃめちゃで、笑いどころ満載の絵本です。
関西弁で、テンポよく、漫才でも見ているかのようにボケとツッコミが入ってきます。
すべり台がブランコにのるなんて、は? と思うじゃないですか。
それで、は? と思いながらページをめくると、思った以上に大変なことに、というかわけのわからないことになっているんです。
すなくんがすべり台で遊ぶ、というのは、まあ、百歩譲ってわからなくもないんですが、ブランコくんがすべり台で遊ぶとなると……
どうなってるのこれ? じっくり絵を見ざるをえなくさせられます。
どの遊びも、遊具たちにかかれば既存のやり方楽しみ方をぶち壊してくれるのだということを教えてくれました。
以前書いた絵本の紹介記事で
持ち主がねむっている間に、文房具たちが夜中にひっそりと会議をするという話があったんですが、それとは読み味が真逆でした。
読み聞かせで、笑いが起こってほしい時にはおすすめです。
高学年でも、こういうギャグ系が好きな子もいるとは思うのですが、どちらかと言えば低学年向けなのかなと思います。
関西弁の方の本気の読み聞かせを一度聞いてみたい。
そんな一冊でした。
それではまた。