本棚のすき間

読書・書店・学校図書館についてのあれこれ

お昼休みの図書館で、こっそりギターを弾く司書の言いわけ

図書館に無関心な先生たちが多い学校だったりすると、朝や休み時間、お昼休みに先生が来るなんてことは滅多にありません。

たまに、授業時間の変更やクラスでの行事などで使う本を借りに来たりすることもあるにはありますが、そんなにたくさんはありません。

 

それで、いま、とある事情で司書室にアコースティックギターが置いてあるんですが、それを見つけた児童に「弾いて!」と言われることがあります。

朝や休み時間は幸いなことに比較的図書館もにぎわっており、司書としてこちらもバタバタしていたりするもんですから、ちょっとそんなことをしている余裕はありません。

 

でも、お昼休みはわりと落ち着いていて、こちらもなんとなく休憩時間的な気分なので、そういう時にはギターをケースからとり出します。

(もちろん、静かに読書をしている子がいたり、迷惑になりそうだっていうときにはやりません。)

ギターを準備していると、声の大きな子が「先生がギター弾いてくれるって!」と図書館にいる子に声をかけたりなんかします(掃除のために早く来ている子たち)。

子どもたちが司書室のドアの周りに集まってきます。

 

子どもたちを前に、クリープハイプの愛の標識を弾いたって十人中十人にぽかんとされるのは明らかです。

そこで、ジブリの曲を弾いてあげることにします。

海の見える街とか、となりのトトロの曲とか、ハウルとか。

 

それでも、子どもは音楽よりもストーリーに目が行きがちなのか、聴いてもぴんとこなかったりもします。

さすがに、トトロやポニョあたりはみんなわかってくれますが。

 

先生が弾いているギターというのは、まあ、一、二曲聴けば興味関心は薄れます。

こちらも次第に恥ずかしくなってくるので、じゃあということで「弾いてみる?」ときいてみます。

「いいの?」

と目を輝かせる子どもたち。

でも、普段近くにない楽器だからか、ちょっとびくびくしていたりもします。

 

ピックを渡して、これで、弦を上からあんまり一本一本に引っかからないように、なめらかに上から下まで弾いてみて、と言います。

左手でこちらはコードを押さえているので、それだけで、しゃらーん、とGコードの音がきれいに鳴ります。

 

「うわあ! すごい!」

大興奮の子どもたち。

そこで、今度はいまの要領で、リズムよくしゃらんしゃらんしゃらんしゃらんとくり返し上から下に弾き続けてみて、と言います。

こちらは、2ストロークごとにこっそりとコード、G、Bm、C、Dなんかの進行で変えていきます。

すると、子どもは簡単なことをしているだけなのに、曲っぽい音が鳴ります。

「えー! なんでなんで!?」

 

期待以上のリアクションをしてくれて、こちらは大満足です。

となりにいた子と交替して、今度はC、E、Am、F,Gなんかにしてみたり。

 

そんなことをやっているうちに、掃除開始の音楽が鳴り始めます。

そんな、聞く人が聞いたらものすごく怒りそうなことを、本当にたまにやったりもしています。

 

いつか、どこかで生のギター演奏を聴くことがあったり、好きなアーティストができたときなんかに、小学校の図書館の、司書室でギターを弾かせてもらったことがあったな、楽しかったな、なんて思い出してくれたら嬉しいな、と。

 

あんまり、司書としては褒められたことではないかもしれないですけど、まあ、たまにはいいんじゃないでしょうか。

 

 

ちょっと話がとびますが、昔、フィンランドに行った時にヘルシンキの公共図書館に入ったら、図書のスペースで演奏をしている人たちがいました。

さすがに、おだやかな感じのバンドで、曲もそこまで激しいものではありませんでした。

けっこうなカルチャーショックというか、衝撃を受けました。

 

日本でこういうことをやったら、2秒で目くじらを立てる人たちが集まってきそうだなと思ったのがいまでは懐かしいです。

そういうのも、いつもやっていたらうっとうしくなるのかもしれませんが、たまにはいいと思うんですよ。

 

そんな風に、学校図書館でも、ごくごくたまになら、かすかにギターの音がきこえてきてもいいんじゃないかなと。

 

 

そんな、学校司書の自己弁護の記事でした。

それではまた。

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