『みつけてん』
『みつけてん』
ジョン・クラッセン:作 長谷川義史:訳
クレヨンハウス
あらすじ
ぼうし、みつけてん。
ふたりて、ぼうし、みつけてん。
でも、ぼうしひとつやな。
ぼくら、ふたりやのになあ。
どや、にあう?
うん、かっこええで。
なあ、ぼくはどう?
ええんちゃう?
このぼうし、ふたりともにあうで。
でも、どっちかかぶったら、どっちかかぶられへんなあ。
そんなん、あかんなあ。
ほな、こないしたら、どう?
ぼうしはここにおいといて、みつけんかったことにしよう……。
感想
『どこいったん』『ちがうねん』を読んでから、このシリーズのもう一冊をずっと読めずにいたのですが、先日図書館で見つけてようやく読むことができました。
前の二作とこの作品、のぼーっとした、ちょっと不穏な雰囲気なんかは共通しています。
大きく違うのは、読後感だと思います。
前二作はどちらかと言うと、ダークな終わり方でした。
前二作のあらすじ等はこちらの記事をご参考ください。
シリーズ三作すべて読んだ方は、どれが一番好みでしょうか?
私は、この『みつけてん』が一番好きです。
(なぜ、もっと早く読まなかったのか、と思うくらい)
ぼうしを見つけたふたりのかめは、夕日をふたりで見るのですが、ここで、ほんのちょびっと物語が動きます。
というか、感情や気持ちの部分の違いがかいま見えます。
それがまた、とてもさりげなく、そしてユーモラスに描かれており、心をくすぐられました。
最後に、ふたりは寝ることにするのですが、ここで、片方のかめがある行動に出ます。
それは、もちろんぼうしに関わる事なんですが、書いてしまってはつまらないので、ラストはぜひ、手にとって読んでみてください。
かめたちは、あの素敵なぼうしをいったいどうするのでしょうか?
それではまた。