『だるまだ!』
『だるまだ!』
高畠那生:作
好学社
あらすじ
あれはなんでしょう?
海のむこうから、たくさんのだるまがずいずいっとやって来ます。
陸に上がっただるまと、陸に上がれなかっただるまがいました。
いくつかのだるまは、タコのコレクションになりました。
それでも、海辺のまちはだるまだらけです。
町のひとたちはびっくりしましたが、ひとりがだるまを持ち帰るのを見て、たくさんのひとがそれに続きました。
とこやに置かれるだるまもいれば、頭にお花をかざられるだるまもいました。
ボクシングに使われたり、犬のおもちゃとして遊ばれたり……
だれもがだるまに夢中なのです。
でも、だるまが現れたのは、このまちだけではありませんでした。
感想
『まねきねこだ!』を読む前に読んでおくべき一冊でした。
この絵本、ラストが『まねきねこだ!』に繋がっていて、そうとは知らずにそちらを先に読んでしまった私ですが、それはそれで、ああそういうことだったんだ! という感動もちょっとあったりもしました……。
『空からぼふ~ん』でもそうでしたが、この作者さんは、そんなの絶対ありえないって! という出だしのインパクトがとても強くて、1ページでも開いたら、気になって全部読まずにはいられなくさせられてしまいます。
しかも、ページ数もそんなに長くない。
むしろ、短めの作品が多いので、なおさらです。
微妙な感情の揺れ動きや起承転結みたいなものはありません。
ひたすらに、わけのわからないことがどんどん展開されていきます。
でも、そこに妙なおかしみがあって、つい笑ってしまうのです。(しまうというのもへんですが)
町じゅうにあふれ返っただるまたちは、いったいどうなるのでしょうか?
次回『まねきねこだ!』の書評です。
それではまた。