本棚のすき間

絵本や小説、図書館についてなど、本全般について書いています。

子どもが漢字を覚えなくて困っている親におすすめの一冊

こんにちは。

 

私は漢字が好きで、語源なんかもよく調べては忘れていくタイプなのですが、先日、面白そうな本が発売されていました。

 

それがこちら。

なるほど! おもしろ漢字ルーツ図鑑

なるほど! おもしろ漢字ルーツ図鑑

 

『おもしろ漢字ルーツ図鑑』

高井ジロル:著 長澤真緒理:イラスト

合同出版

 

児童向けに作られた図鑑ですが、大人が読んでもなかなかに楽しめる一冊だったので、その序章の部分を自分の勉強・復習も兼ねて、紹介したいと思います。

 

 序章のまとめ

 

 漢字は世界一古い表意文字

 

漢字は今からおよそ3300~3400年ほど前には使われていたと言われている。ちなみに日本はその頃弥生時代。

 

表意文字というのは、その形を見れば意味がわかる文字のこと。

漢字はもともと、絵で示したモノの形が変わってできたもの。

 

 

世界最古の漢字は古代中国で栄えた殷王朝の時代。

カメの甲羅などの固いものに彫られた「甲骨文」と呼ばれるものがある。

 

殷王朝の後、周王朝の時代には、青銅器と言う金属の器にも漢字が記されるように。

それらは「金文」と呼ばれる。

 

その後、春秋・戦国時代を経て、中国全土は秦という大国に統一される。

統一後にできた漢字が「篆文」というもの。

篆の竹かんむりは竹筆を表し、そのしたの彖は垂れるという意味を表している。

つまり、「字を上から下へまっすぐに書く」ということ。

 

篆書とも言われるこの篆文は、現在の日本ではハンコの書体として有名。

 

 

しかし、篆文は複雑で書き写すのに時間がかかるので、より書きやすくした隷書という文字が誕生。

隷は下級役人という意味で、ふつうの人にも書きやすいように工夫した字体。

 

現在のお札の、「日本銀行券」という文字でも使われている。

 

 

さらに、秦から250年ほど経ったのち、漢という王朝時代には「楷書」が生まれた。

楷とは幹のまっすぐな木という意味。

 

これが現在我々が使用している文字で、「漢の時代にできた文字」だから「漢字」と呼ばれている。

 

 

ただ、楷書は一点一画を正しくきちんと書かねばならない。

そこで、この楷書をくずした「行書」が生まれ、さらにすばやく書けるように続け字を工夫した「草書」という字体も生み出された。

 

 

  読み方について

漢字が伝わってきた日本だったが、どう読むかという問題に直面する。

そこで、中国の読み方をまねて、「山」をサンと読んだり、「川」をセンと読んだりしていた。

これが「音読み」。

 

でも、日本人からすると「サン」や「セン」では意味が伝わらない。

日本では「山」を見たらやまと言い、「川」はかわと言っていた。

そこで、漢字に日本語の読み方をあてはめることにした。

それが「訓読み」。

 

こうして、ほとんどの漢字に「音読み」と「訓読み」という二つの読み方が生まれた。

 

 

ひらがなとカタカナは、漢字があまりにも難しため、漢字の形をくずして書きやすい形にしたことから生まれた、比較的新しい文字。

 

 

 

 漢字は大きく分けると四種類

○象形文字

動物や人のからだやモノの形を絵にして作られたもの。

「目」や「木」、「刀」などがそれに含まれる。

 

○指事文字

象形文字にしるしなどをつけ足したり、単純な点や線を組み合わせて作ったもの。

たとえば「本」や「刃」は「木」と「刀」に線を付け加えている。

 

また、単純な線だけを組み合わせた漢字、「上」なども指事文字に入る。

 

○会意文字

象形文字と指事文字の両方を組み合わせて作ったもの。

モノの形だけでは漢字にしにくいものを、それぞれちがう意味を持つ二つの漢字を組み合わせて作った。

 

たとえば「鳴」という漢字。

これは、鳥が口で鳴くことが由来となっている漢字。

 

また、「位」という漢字は、人が立つ場所を示している。

 

○形声文字

形で意味を表す漢字と、読みを表す「音」を組み合わせて作られた漢字もある。

「形」と「音」(声)を組み合わせるから形声文字と呼ぶ。

 

たとえば「材」という漢字は、「木」が意味を表す。

そして、読み方は右側の「才」の音を使って「ざい」になる。

 

漢字の80%以上を形声文字が占めていると言われている。

 

 

 漢字の数はどれくらい?

現在の研究では10万字を超えると言われている。

 

ちなみに、日本で一番大きな大漢和辞典(全15巻)に載っているのは、その半分の5万字。

 

小学生で学ばなければいけない漢字は1006字(2020年から「阪」など、都道府県名に使う20字も加わる)。

これは「教育漢字」と言われている。

ちなみに常用漢字は全部で2136文字。

 

 

 

序章から先の構成はこちら。

 

  • 知っているようで知らなかった漢字
  • 漢字辞典にのっているヘンな漢字

ふろく 漢字ドリルにチャレンジ

漢字ミュージアムたんけん!

 

漢字の語源の話が盛りだくさんの内容で、普段書いたり読んだりしている漢字のルーツがわかるようになっている。

ただ書き順を習って、それを覚えるだけよりもずっと楽しめる。 

 

 

 まとめ

漢字をちっとも覚えないお子さんのいる方や、漢字なんてつまんない! という子どもが近くにいるという方におすすめしたい一冊です。

一家に一冊置いといて、子どもがいる前で「へえー!」とか「ほお~そうだったんだ……」とかぶつぶつ言いながらこの図鑑を読んでいれば、そのうちに子どもも読みたくなって、漢字にも興味を持ってくれるかもしれません。

 

そして、子どもといっしょに大人も漢字に親しむことができるという、一石二鳥の一冊となっております。

 

この一冊で、子どもが漢字を好きになる、かも?

きっかけ作りにおすすめです。

 

 

それではまた。