本棚のすき間

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『ドラゴンマシーン』ヘレン・ウォード 書評【絵本】

『ドラゴンマシーン』

ドラゴンマシーン

ドラゴンマシーン

  • 作者: ヘレンウォード,ウエインアンダースン,Helen Ward,Wayne Anderson,岡田淳
  • 出版社/メーカー: BL出版
  • 発売日: 2004/03
  • メディア: 大型本
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『ドラゴンマシーン』

ヘレン・ウォード:作 ウエイン・アンダースン:絵 岡田淳:訳

BL出版

 

 

 あらすじ

ある雨のふる木曜日のことでした。

ジョージは、窓のむこうにほんもののドラゴンが飛ぶのを見ました。

 

それからというもの、目をこらしさえすればどこにでも、ドラゴンが見つかるようになりました。

 

でも、ほかのひとたちはだれもドラゴンに気づきません。

きちんと見ていないから見えないのです。

気にかけていないと、目にもとまらないのです。

きっと。

 

(それって、だれもジョージのことをきちんと見てくれないし、気にもかけてくれないのに似ているかも)

 

 

ドラゴンは、電線にも、ごみすてばにも。

チューリップ畑や、きれいな池にもいました。

 

ジョージはドラゴンたちに、しっけたビスケットや、においのきついチーズをあげました。

(そんなものしか、なかったからね)

 

 

それがまちがいのもとでした。

 

いたずらもののドラゴンたちがジョージのあとをついてまわるようになり、そのせいで、ジョージはしょっちゅう、自分のせいではないのに謝ったり、そうじをしたりしなければいけませんでした。

 

いたずらは、ひどくなるばかり。

なんとかしなくちゃと思ったジョージは、図書館に行き、ドラゴン百科事典を開きました。

 

「けっしてドラゴンに食べ物をやってはいけません」

「けっしてドラゴンを家に入れてはいけません」

(もうおそい!)

 

果たして、ジョージはどうなってしまうのでしょう。

そして、ドラゴンはみんなに見つかって、つかまってしまうのでしょうか?

 

 

 感想

『二分間の冒険』や『びりっかすの神様』等、名作児童文学の数々を生み出している岡田淳さんが翻訳している、ということで、手に取りました。

どういういきさつがあって、岡田淳さんがこの絵本を翻訳することになったのかはわかりませんが、読み終わって、とてもしっくりきました。

 

みんなには見えていない、主人公だけに見えているドラゴン。

そのドラゴンと関わっていくうちに、やっかいなことが巻き起こり、そして、ドラゴンを助けるために行動をする、という感じが、とても岡田淳さんの小説(例えば『ムンジャクンジュは毛虫じゃない』や『ポアンアンのにおい』など)に近いものを感じたのです。

 

物語は、後半、ドラゴンのことから、ジョージのことについてと、焦点が移っていきます。

ジョージがどのような子どもかについては、前半にちょびっとだけ書かれていますが、それがさりげなくラストに繋がっており、温かい気もちにさせてくれました。

 

児童文学的なのですね。

ファンタジー小説を読んでいるような気分でした。

 

この世界にはドラゴンがいる。

そして、ドラゴンのような子どもたちも。

 

見つけてあげたいし、ちゃんと気にかけてあげたい。

そういうことに気がつくことのできる子どもや、ほんのちょっとの大人だけが、そこにある物語に触れることができるのかもしれない。

 

そんな風に思わせてくれた一冊でした。

 

岡田淳さんの小説がお好きな方にもぜひとも読んでいただきたいです。 

 

それではまた。