本棚のすき間

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日本の近現代史を逆から学ぶとこんなに面白い

日本史を逆から学んでみる

日本史は逆から学べ 近現代史集中講義 (光文社知恵の森文庫)

日本史は逆から学べ 近現代史集中講義 (光文社知恵の森文庫)

 

こちらの本をご存じでしょうか。

開国から現代までの歴史(約160年)を、その出来事の理由をさかのぼりながら、詳しく、わかりやすく紐解いていこうというテーマのもとに、近現代史を逆から学んでいける本なのです。

 

こちらが2017年に刊行された、同シリーズと言っていい一冊です。

より広く、近現代から原始・古代までをさかのぼって学んでいける本です。

通史としての勉強をされたい方には、こちらの本もおすすめです。

 

 

今回は、先に紹介しました「近現代集中講義」の方を読んで、その中身に触れながら近現代史を勉強していきたいと思います。

 

なぜ、安倍政権は長期間(5年超)政権を維持できているのか?

→民主党が弱体化し、自民党に変わって政権をになう野党が存在しないから

2012年12月に成立した自民党の第二次安倍晋三内閣は、その後、5年以上続く長期政権となっています。

この安倍政権が長く支持されている最大の理由として、その経済政策の効果にあるといえるでしょう。

 

内閣成立後、安倍首相は、アベノミクスと呼ばれる経済政策をすすめました。

「大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略」を三本の矢として、次々と繰り出したのです。

 

とくに、日本銀行総裁に黒田東彦氏を登用し、日本銀行が中心となってデフレ脱却のために2%の物価目標を達成すべく、量的金融緩和政策やゼロ金利など、次々と大胆な金融政策を断行していきました。

景気維持のため、2015年に予定されていた消費税の10%への引き上げも中止しました。

 

また、安倍政権は「世界で一番ビジネスをしやすい環境を作る」とうたい、観光・教育・農業など計11分野でさまざまな規制改革も行いました。

とくに観光分野では民泊の許可、ビザ免除などによって訪日外国人客を大量に呼び込み、「中国人の爆買い」が話題になったように、大きなインバウンド効果をもたらしました。

 

 

一説では、日本経済は「いざなぎ景気」超えだとする論もあります。

が、その一方で、「こうした経済的安定は、アメリカ経済の好調に伴っているだけにすぎない」や「失業率の低下は高齢化による人手不足のため」といった論もあり、アベノミクスの効果を疑問視する意見もあります。

 

外交についても、無難に対応してきていることが評価されています。

 

そうした中で、安倍首相夫妻の個人的なつながりから端を発した森友学園や加計学園に関する問題、自衛隊日報問題など、本来なら内閣が瓦解してもおかしくない事件が浮上しています。

それなのに、政権が維持されているのは、内閣の支持率が落ちても与党自民党の支持率がほとんど変わらないからでしょう。

 

つまり、国民が野党にまったく期待していないのです。

 

それでは、なぜ民主党政権は崩壊してしまったのか?

→マニフェストを実現できず、震災対応でも失敗したから

2009年の衆院選において、民主党は308議席を獲得する大勝で、自民党から政権を奪いました。

衆院選で野党が単独過半数を得て政権を奪取したのは、戦後初のことです。

そのため「戦後初めての本格的な政権交代」といわれ、国民は鳩山由紀夫内閣の手腕に大いに期待しました。

 

こうして成立した民主党政権が崩壊した原因の一つは、選挙前に掲げたマニフェストが挙げられます。

実際のところ、かなり実現性に乏しいものでした。

 

政権を取りたいがためにかかげた公約だったこともあり、次第にすべてのマニフェストの履行は難しいという現実が見えてきました。

期待が大きかった分、国民の失望も大きかったのです。

 

 

民主党政権では、国民に公開するかたちで、国家予算の見直しも行われました。

いわゆる事業仕分けです。

 

この事業仕分けで、いかに無駄な予算がついているかを国民に知らしめたことは大いに評価できます。

が、必要な予算まで削ったり、民主党政権のパフォーマンスに堕する面があったことは否めず、予算カット額も3兆円の目標には達せず、1.7兆円の見直し、国庫返済に止まりました。

 

 

当初は支持率70%を誇っていた鳩山内閣ですが、その人気を失墜させ、退陣に追い込んだのが普天間基地移設問題でした。

選挙戦では「普天間基地を海外へ移設する」といった発言もみられ、首相も移設先は最低でも県外にすると確約しました。

 

しかし、アメリカにはっきりと拒絶され、県内移設の可能性も示唆するようになると、沖縄県民のみならず、国民も鳩山内閣に不信感を持ち、2010年6月には、政権交代から9か月弱というはやさで、退陣に追い込まれたのでした。

 

続いて、民主党の菅直人が内閣を組織しましたが、尖閣諸島近海で中国漁船が故意に海上保安庁の巡視艇に衝突するという事件が起きます。

この問題で日中関係が悪化し、また、中国漁船の船長を釈放するなど中国側に配慮したことで、国民の支持を失いました。

 

さらに、2011年に発生した東日本大震災に付随して、福島第一原子力発電所の事故が発生します。

そこでの対応にも、批判が集まりました。

 

震災後2011年9月には、管内閣は退陣を余儀なくされたのでした。

 

続いて、民主党の野田佳彦が国民新党と連立内閣を組織しますが、2012年の衆議院選挙で民主党は大敗、自民党・公明党が325議席を獲得し、野田内閣は総辞職しました。

 

 

結局、国民の期待をになった民主党政権は、わずか3年間で消滅してしまったのです。

 

ではなぜ、そもそも民主党が政権を取れたのか?

日本史は逆から学べ 近現代史集中講義 (光文社知恵の森文庫)

日本史は逆から学べ 近現代史集中講義 (光文社知恵の森文庫)

 

という感じで、この本は歴史をさかのぼっていきます。

一番近い話ですので、そんなの知ってるよ! と思われた方も多いかもしれませんが、少しずつさかのぼっていくと、あぁあの出来事はそういう経緯があったんだ、という発見があるかと思います。

 

出来事には必ず理由があり、そこには何かしらの意図や思惑があります。

 

学生時代、単純な暗記科目としてひたすら単語を覚えることに嫌気がさしていた方も(私自身がそうでした)、この本では、どうしてそうなったのかが丁寧に解説されているので、大人になってからの勉強のし直しにもおすすめです。

 

 

それではまた。