本棚のすき間

読書・書店・学校図書館についてのあれこれ

本が好きすぎる女の子が満面の笑顔を見せた日

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六年生のとあるクラスが、卒業前の奉仕活動ということで、図書館に来てくれました。

蔵書点検は一通り終わっているので、本を出し、棚を乾拭きしてもらうことに。

 

それから、除籍となった本を三階から一階まで下ろすお手伝いも。

これは、当初は自分一人でする予定で、いやだなしんどいなと思っていたので、あっという間に終わって本当に助かりました。

 

本を捨てるところを子どもたちに見られないようにこっそりと運んでいる、という学校司書の話を聞いたことがあります。

「もったいない」とか「ほしい」とか、そういう声が気になるというのもあるでしょうし、ごみ捨て場から持っていってしまうかもしれない、ということも危惧されているようでした。

 

でも、除籍して廃棄する本にもきちんとした理由があるわけですし(ボロボロで修理も不可のもの・情報が古すぎるものなど)、悪いことをしているわけじゃないんだから、と私は思ってしまうんですが、どうなんでしょう。

 

むしろ、ボロボロになってしまった本はこうして捨てなければいけなくなる、というのは、子どもたちにも知ってもらいたいと思います。

 

何人もが読む本というのは、どうしても、ページが取れてしまったり、汚れてしまったりします。

ただ、一人ひとりが意識してきれいに大切に扱うということをすることで、そういった劣化のスピードを遅らせることはできるはずです。

 

お気に入りの本でも、思い出の詰まっている本でも、壊れてしまったら捨てなくてはいけない、というのを知っている方がいいのではと思うのですが、いかがでしょう。

 

ちなみに、私が勤務している町では、除籍となった本を子どもたちにリサイクル本としてあげるということはしないようにしています。

去年まではわりとゆるく、特にこれといった決まりはなかったのですが、なぜか今年度から統一のルールとして、そういう方向になりました。

 

小学校の図書館で、リサイクル本をやっている、或いはやっていたという学校はけっこうあるのでしょうか?

もしよろしければコメント等で教えてください。

 

しない理由の一つとして、不公平感が出てしまう、ということがあります。

もらえた子ともらえなかった子が出てしまうと、不公平になってしまう、という考え方です。

 

私が以前勤務していた学校でも、教頭先生からそのように言われたことがありました。

 

でも、よく考えるとおかしくないですか?

給食で、誰かが休んだ時や、配膳の量の関係でおかずやデザートが余った時に、いわゆるおかわりじゃんけんというのを、きっとどこの学校でもしますよね。

 

あれだって、じゃんけんに勝った子はたとえばからあげをもらうことができますが、負けてしまった子はもらうことができません。

でも、そこに不公平という感じはきっとないでしょう。

 

捨てる本を子どもにあげる、となったとたんに不公平感を出すのって、なんなんでしょう?

わからなくはないんですけど、ちょっと不思議に思ってしまいました。

 

 

それで、奉仕活動は、賑やかにとても楽しそうに終わりました。

ひとりでは手が回らない棚の奥のほこりなんかもとってもらえて、非常に助かりました。

 

それが五時間目だったんですが、その後、担任の先生の意向により、六時間目は自由な時間になりました(詳しいことはよくわかりませんが)。

で、ひとりの女の子が、「本読んでもいいですか?」と聞いていて、本来はもう図書館は四月まで閉館となっているのですが、担任の先生も了承、図書館的にも蔵書点検は終わっているので、持ち出さなければということで、オッケーにしました。

 

その時の、その子の嬉しそうな顔。

全校が返却をしているので、いつもは借りられているような本も棚にあって、ほこりとりをしている最中から、きっと読みたくてしかたがなかったのでしょう。

 

その子、蔵書点検をしている日の休み時間も図書館前の廊下に来ていて、何か用かな? と思って廊下に出てみると、本を読んでいたのです。

で、あれ? もう返却したはずだよなと思ってよく見てびっくりしました。

蔵書点検前に本を返せなかった人用に、ドアの外には、箱を置いてありました。

そこに入れてあった、誰かが返した本を立ち読みしていたんです。

 

モラルというか、ルールとしてはあまりよろしくないことなのでしょうが、でも、そんなにも本を読みたくてしょうがないというのに、感動すらしてしまいました。

 

そういう子なので、卒業式を今週末に控えた今日、本来は入ることも読むこともできない図書館で、最後に一時間たっぷりと読書をしてどんな風に感じたのか、司書としてすごく気になるところです。

帰りの会が始まる時間になると、その子は本を棚にそっと戻し「また読みに来られないかな」とつぶやいていました。

 

このひとときが、一生の思い出、とまではいかなくても、いつか思い出して幸せな気持ちになってくれるような時間になったなら嬉しいです。

 

 

もうすぐ、卒業式の日がやって来ます。

私にとっても、離任式、別れの日です。

 

残りわずかの学校司書としての日々、自分もいつか思い出して幸せな気持ちになれるように、悔いのない一瞬一瞬を過ごそうと思います。

 

 

読んでいただきありがとうございました。

それではまた。

 

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