本棚のすき間

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【書評】『ほしじいたけ ほしばあたけ じめじめ谷でききいっぱつ』石川基子【絵本】

『ほしじいたけ ほしばあたけ じめじめ谷でききいっぱつ』

ほしじいたけ ほしばあたけ じめじめ谷でききいっぱつ (講談社の創作絵本)

ほしじいたけ ほしばあたけ じめじめ谷でききいっぱつ (講談社の創作絵本)

 

『ほしじいたけ ほしばあたけ じめじめ谷でききいっぱつ』
石川基子:作
講談社

 

あらすじ


きのこむらのはずれ、ほだぎのさとに、ほしじいたけとほしばあたけがすんでいました。

ひなたぼっこがすきなふたり。
きらいなことは、みずにぬれることです。

「じさま、かぜがでてきましたぞい。そろそろなかにはいりましょう」
「いやいや、ばさま。わしはもうひとほしじゃ」

ところが、ひなたぼっこをしすぎてからからになりすぎて、
ほしじいたけはかぜにとばされてしまいました。

風にのって、たどりついたのはじめじめだにでした。
ここは、あしをふみいれたきのこがにどともどれないといわれている、おそろしいたにでした。

でも、ほしじいたけはそのことを知りません。
ふわりふわりとおりていき、

ちゃぽん!

「ああっ、みずにおちてしもうた! ん? みずというより、これは、ゆじゃ! おんせんじゃ!」

あまりのきもちよさに、ほしじいさんはしばらくゆにつかっていました。
すると、むにゅむにゅむにゅ。

「はっ!」
ほしじいたけのからだは、みずにつかると、わかもののようになるのでした。
あわててたちあがったとたん、
たおれてしまいました。

おゆに、のぼせてしまったのです。

「まずはからだをひやさねば」
あわててゆからあがるほしいじいたけに、おともなくちかづくものがありました。

それは、
きょだいなめくじ!

「きのこはおれさまのだいこうぶつだじ。いっただきまーす!」

「じさまっ、あぶないっ!」
おいついたむらのこどもたちが、それぞれのとくいわざで、なめくじにこうげきをしました。

でも、まったくききめはなく。
「うっじっじ。どれからたべようかな~」

「あ~ん、たすけて~!」

そのときでした……

 


感想


本屋で表紙を見かけて、ずっと気になっていたものの、いままで読めずにいたシリーズです。
もう、表紙をみただけで、子どもたちが食いつきそうだな、って思います。

きのこがきらい、苦手っていう子ども、いっぱいいるじゃないですか。
私自身も、子どもの頃からきのこが苦手でした。

きのこが苦手な子がこの絵本を読んだら、きのこを好きになったりするだろうか、とふと思ったのですが、そういう効果はあまり期待できなさそうです。
というより、そもそも、絵本にそういう効果を期待すること自体があまり正しいことではないのでしょう。

ときどき、子どもに何かを教えたり、しつけたりしたりするために絵本を用いる、という方の話をきくことがあります。
実際、最初からそういうことを想定して作っているんだろうな、という絵本もたくさんあります。

そういう種類の絵本でしたらいいのでしょうが、そうでない絵本を、教育的、躾のための道具として用いるというのは、どうなんでしょうね。

楽しく読んでいるうちに、いつのまにか、子ども自身が絵本の影響を受けて○○ができるようになった、とか、そういうのがやっぱり理想なのかなと思います。

話がそれましたが、この絵本は、単純にストーリーが面白いです。
かわきすぎてしまったほしじいたけが、風にとばされておんせんにつかってしまう。
すると、おゆでもどされたほしじいたけが若返っていく、って、面白くないですか?

すごく、起承転結に基づいた構成といいますか、盛り上がりもちゃんとあって、最後のオチも複線を回収するかのようにまとまっています。

それから、この絵本、ジャンプのマンガが毎回次号が気になるような終わり方をするみたいに、ページの最後が、次のページでどうなるんだろう? というう描き方になっていて、どんどんページをめくりたくなるんですよね。
こういうのって、マンガではよくありますが、絵本ではそんなにないような気がします。
一冊に一、二ヶ所でなく、ほとんどのページがそうなっています。

ぜひ、読んでお確かめください。

このシリーズ、ほかにも何冊か出ているようなので、じっくりと読んでいきたいなと思います。

 

ほしじいたけ ほしばあたけ カエンタケにごようじん (講談社の創作絵本)

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ほしじいたけ ほしばあたけ (講談社の創作絵本)

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