児童が犬に絵本の読み聞かせ
図書館に関する、こんな記事を読みました。
記事より、本文の引用です。
子どもが本を読み聞かせながら犬と触れ合う催しが28日、兵庫県相生市那波南本町の市立図書館であった。小学生ら13人がそれぞれ犬のそばで絵本を朗読し、命との向き合い方を学んだ。
子どもたちは同センター職員から「犬が怖がるので上から触らない」「犬を飼うときは命に責任を持って」と関わり方を学んだ後、お気に入りの絵本を選択。声に出して読むと、犬は伏せたり、本を見詰めたりして聴き入った。
このニュースを見て、真っ先に思い浮かんだのがこちらの絵本です。
『わたしのそばできいていて』について
朗読するのが苦手な女の子が主人公で、いつも、授業中に自分が読むたびに、笑われたり、からかわれたりしていました。
でも、ある日、図書館にいる犬に読みきかせをします。
すると、いつもみたいにつっかえずに読むことができました。
犬に読んであげるということを続けているうちに、主人公の読むことへの苦手意識が少しずつうすれていき……
といったお話なのです。
授業中の朗読がいやだったという人は、少なくないのではないでしょうか。
私も、漢字の読み方がわからなかったり、つっかえたりするのがいやで、いつも、自分にまわってきそうな場所を先回りして、頭の中で練習していた記憶があります。
この絵本の主人公は、識字障碍を持っているのでは、というレビューも見かけました。
そうでなくても、朗読する、人前で何かしゃべるということは誰でも多少は緊張して、いつものようには声が出せなかったりします。
犬に読んであげる、ということをしたことがないのでわかりませんが、人が聞いていると考えるよりも、ハードルが下がるのでしょうね。
外国ではこうした図書館犬という取組みがすでにされていたようですが、国内でこうしたニュースを見たのは個人的には初めてな気がします。
朗読に対しての意識の持ち方だけでなく、本への興味が深まるという点でも素敵な取り組みだと思います。
ボーダーコリーとの時間を楽しんだたつの市の河内小2年の男児(7)は「犬と仲良くなりたくて参加した。触ると温かくてかわいかった」と笑顔だった。
イベントに参加した子どもの感想も可愛いですね。
犬と仲良くなりたくて。
小学2年生というと、どちらかと言えば、読みきかせをしてもらう側の年齢です。
それでも、犬になら、気恥ずかしくなく、読みきかせをしてあげられるということでしょうか。
先ほどの『わたしのそばできいていて』は、続編が出ています。
『いまのわたしにできること』について
図書館から子犬をもらうことになった主人公ですが、一方で、捨てられて居場所をなくした動物がいることも知ります。
実際に、そんな動物がいるシェルターに行って、じぶんもできることを何かしたい、と考えます。
彼女が考えた「いまのわたしにできること」とは?
一作目では、動物が主人公に与えてくれたものに焦点が当てられていましたが、新刊では、人間が動物のためにできることが大きなテーマです。
一作目もそうでしたが、非常に温かな気持ちにさせてくれる絵本です。
リサ・パップさん。
次の作品も楽しみにしたい絵本作家のひとりです。