本棚のすき間

絵本や小説、図書館についてなど、本全般について書いています。

子どもに本を読んでほしい大人のエゴに触れた

塾の生徒、中学三年生の女の子に、最近何か本を読んでる? ときいてみた。

すると、「『天地明察』を読んでいます」と返ってきたのでおどろいた。

天地明察(特別合本版) (角川文庫)

天地明察(特別合本版) (角川文庫)

 
天地明察(上) (角川文庫)

天地明察(上) (角川文庫)

 

 

なかなか渋いチョイスだね、歴史系とか好きなんだっけ? ときいてみると、いやあそういうわけでは、という顔をする。

 

詳しくきいてみると、塾の、普段教わっている先生に紹介されて読んでいるとのこと。

なるほど、と合点がいったのだけれど、面白い? とか、どれくらい読んだ? とかきいていくと、なんだか気まずそうに答える。

 

あんまり面白いと思えない。

5月から読んでいて、いま、やっと全体の四分の一くらい。

学校の朝読書の時間も読んではいる。

 

ということで、あまり、楽しい読書ではないということがわかってきたので、読むのやめてもいいと思うよ、と言ったら、驚きの返事が。

 

「宿題の欄に書かれてるんです」

 

授業ごとに記入をするカードには宿題を書く欄があって、そこに、天地明察を読むと書かれてしまっているらしい。

 

なんということ。

紹介をした先生は、もちろん、悪意などはこれっぽっちもなくて、良かれと思っておすすめをしたのでしょう。

 

でも、義務化された読書というのは、小学生もそうだったけど、中学生も苦痛でしかない。

 

かくいう自分も、塾内に本棚を置いてから、おすすめしたり、宿題にするから読んできてね、と言ったこともある。

でも、必ず、読んでいてちっとも面白いと思えなかったらこっそり本棚に返しておいてもいいから、と付け足すようにしていた。

 

もちろん、少しばかり忍耐を必要としながらも面白い本というのもあるのだろうし、ある程度歯ごたえのある本も読んでほしいという思いもあるけど、それはそれ。

本って面白い、とか、この作者の話好きだな、とか思うようになったら、自然とその周辺の本に興味がわいたり、同じ作者の別の作品を読みたくなったりするものだから、そういう流れを作ってあげることが大事なのでは、と学校司書時代からずっと思ってきた。

 

なので、今回のその講師のやり方にはどうしても賛同できず、生徒には「もしどうしても頑張って読みたいと思うのであれば読み続けていいし、そうでないのなら、ここまで読んだけど自分には合いませんでした、と言って返していいよ」と伝えておいた。

もしなにかあったら、相談してほしいとも。

大人しい子なので、言いたいけど言えない、ということもありそうで心配。

 

まあ、返されてもどうしても最後まで読みなさいとは言われないだろうけど、そういう面倒くさい体験をさせられてしまったことは不幸でしかないわけで。

自分も本が好きで、子どもたちに本を読んでほしいと思うことは多々あるから気持ち的には凄くよくわかる。

でも、重くなってはいけないのだなということを再認識。

 

子どもに本を好きになってもらいたいのに、嫌いになってしまう、そんなきっかけを一生に一度も作らないようにしたい。

そんなことを思った一日。

 

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