本棚のすき間

絵本や小説、図書館についてなど、本全般について書いています。

学校司書の一日について(前半)

学校司書の一日

学校司書ってどんなことしてるの? という疑問を持たれる方は多いと思います。

私も、実際に学校司書になってみるまでは、子どもたちが図書館にいない間は何をしているのか、自分だけで図書館に入れる本を決めているのか、などなど、わからないことだらけでした。

 

そこで、三年間だけですが、私が小学校の学校司書として働いていたときの流れを書いてみようと思います。

いろいろと、伝わりきらない部分もあるかとは思いますが、そんな感じなんだ! と思っていただき、貸出のスキャンをしているだけではないことを少しでも知ってもらえれば嬉しいです。

 

あくまでも、私が勤めていた学校図書館では、という話にはなりますが。

それではよろしくお願いします。

 

ある小学校の学校司書の一日の流れの例

職場である小学校に着いたら、まずは職員室に行きます。

先生たちに挨拶をして、朝日小学生新聞という子ども向けの新聞や、先生たちから配られたプリント類などを持って、図書館へ。

 

図書館に着くと、まずはパソコンを立ち上げます。

電算化されている学校だったので、貸出返却処理等をするこのパソコンがなければ図書館が始まりません。

時おりトラブルできちんと作動しないときがあるので、早めに電源を入れ、確認をするようにしていました。

 

朝の開館までにすることは、そんなにはありません。

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私は、上の記事のような、豆ちしきのコーナーを日々更新していましたが、前日の放課後にこれを書いていなければ、朝、子どもたちが来る前に新しいものにしたりはしていました。

 

夏場であれば、窓を全開にします(エアコンのない図書館だったので)。

冬場であれば、ストーブを点けます。

 

朝日小学生新聞のコーナーの、古いものと最新のものを入れかえます。

 

時間があれば、本棚のチェックをしたりもします。

小学校の図書館の本棚は、本当によく荒れます。

巻数の多いシリーズ本がぐちゃぐちゃになっていたり、本の裏のスペースに隠すように本が押し込まれていたり。

そういう状態のまま開館し続けていると、子どもたちもそれに慣れていってしまい、どんどん図書館が荒れていってしまうので、なるべく早く見つけます。

 

開館すると、もうその日の流れにのるばかりです。

本を探している子どもに声をかけたり、おにごっこをしている子どもに注意したり、貸出処理をしてくれている図書委員の子のサポートをしたり。

学校図書館は、やはり子どもたちがいる時間がメインです。

いっぱい来ててんやわんやしているときは「こんなに来なくてもいいんだけどなあ」と思ってしまったりもしますが、全然来なければ「さみしい……」となる、そんな毎日でした。

 

朝の開館の時間が終わると、朝読書・朝の会の時間です。

その日一日の図書館の時間でどう喋ろうか考えたり、どの本をおすすめしようかと考えたりします。

ただ、この時間、他の先生が図書館にやって来て、社会や国語の授業に使いたい本があるということがよくありました。

図書館の本を利用してもらえる、というのは、もちろん、ありがたいことです。

ただ、その日の一時間目や二時間目に使いたい、となると、猛スピードでそれらの本を探すことになるので、大変といえば大変です。

 

そんなこんなで、一時間目が始まります。

小学校では、多くの学校で、図書の時間というのがあるのではないでしょうか。

各クラス、週に一時間、決まった時間割で図書館に来て、読みきかせをきいたり、本の借り換えをしたり、調べ学習をしたり、読書をしたりします。

 

学校司書は、その時間、不思議なことに教員がしている授業者みたいなことをしたりもします。

初めて学校司書になったときには、こんなこともやるんだ、と思うこともしばしば。

 

よくあるのが、本の分類についての話だと思います。

図書館の本は決まった分類に沿って並べられていて、その分類というのはこういう風に決められています、というような。

そりゃ、先生たちよりも司書の方がその分野については詳しいです。

ただ、それを授業のように子どもたちに教える、というのが、最初はなかなかハードだった覚えがあります。

 

一番最初にやるオリエンテーションなんかも、最初はどう進めればいいのか何もわからず、とにかく、言っておかなければいけないこと、子どもたちに守ってもらわなければいけないことをプリントに書き、伝え、子どもたちからすれば毎年の話なので退屈な一時間でおしまい、という感じだったかと思います。

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三年目に私が行ったオリエンテーションについての記事なので、よろしければこちらも。

 

それで、図書の時間で悩むのが、最初の読み聞かせの時間です。

幸い、学校司書になる前、書店員だった頃に児童書売り場のイベントとして何回か読み聞かせをしていた経験があったので、どんな感じかはある程度把握していました。

 

ただ、それが各クラス毎週あるのです。

同じ本、同じ話は一度きりです。

絵本自体は好きですが、どの本が読み聞かせにいいのか、その学年に適した本というのはどんなのか、わからないことだらけです。

 

なので、学校司書になって、図書館が開館するまでの間、蔵書している絵本で、読み聞かせできそうな本を片っ端からリストアップしていました。

 

試行錯誤しながら選んだ絵本も、実際には子どもたちの反応がほとんどなかったり、思っているように読むことができなかったり、ああ失敗だったかもな、と思うことも。

逆に、子どもたちが目をきらっきらさせて食い入るように絵本を見ていたり、読み終わったあとにいろんな声が聞こえてきたりして、手ごたえ十分、という日もありました。

 

ただ、やっているうちにわかってきたのですが、手ごたえが全然ないからといって、子どもたちの心に届いていないのかというと、そうでもないみたいです。

その物語をちゃんと心にしまって、その子なりの感想や解釈を育てているけれど、外からはそれがわからない、ということもあるのですよね。

 

なので、反応の有無というのはどうしても気になってしまうところですが、いつからかあまり考えないようになっていきました(それでもどうしても反応がありそうが絵本を選びたくなってしまいますが)。

 

読み聞かせの後には、その絵本を描いた作者の別の絵本を紹介したり、同じテーマやどうぶつの本を紹介したりもしました。

この、いわゆるブックトーク的なものも、毎週のようにやるとなるとなかなか大変です。

同じ学年の別のクラスで同じような話をしようと思っても、貸出になれば手元にないので効果的に話ができません。

なので、最初の方は気合を入れて、毎週のようにあれこれ考えて話をしていましたが、途中からは多少力を抜く、ということも覚えていきました。

 

ブックトークをした作品は、たいていはよく貸し出されていきます。

担任の先生に頼まれて、国語の教科書でいまやっている単元関連の本を紹介したりすると、面白そうにきこえなかったのか、あまり動きがなかったりもします。

やっぱり、喋る人間が面白いと思って紹介をしないと、子どもたちにもそれが伝わってしまうのだなという事を感じました。

 

ブックトークのほかには、新しく入った本の紹介もします。

新しく入った本のコーナーに置いておくだけよりも、子どもたちに直接こういう本が入りました! と紹介する方が、やはり貸出に繋がります。

こういうとき、あまり貸出されなさそうだけど、授業関連で図書館に入れておきたいな、という本をいかに面白そうに紹介できるかという点に燃えていました。

 

また、新しい企画をしていれば、このタイミングで子どもたちに宣伝をします。

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いろいろと、企画してきたものについての記事ですので、よろしければ。

 

そんなこんなで、本の返却・貸出の時間になります。

ひとクラス分の子どもたちがまずは一気に本を返却するので、行列になります。

司書はひたすらバーコードをスキャナーで読み取り、どうぞー、と声をかけます。

それをしながら、この子こんな本借りてたんだ、とか、長い本読むようになったんだ、とか、いろんな発見をします。

 

列になっているので、このタイミングではあまり個々に話をきいたりはしませんが、子どもたちの変化はしっかりチェックします。

返却が済むと、ばらばらと借りる子がカウンターにやって来るので、さっき返した本どうだった? とか、紹介した本だね、とか声がけをしながら貸出の処理をします。

 

へんに声がけをしなくてもいいのでしょうが、学校司書って、いても認識されにくい存在になりやすいポジションだと思うのです。

子どもにもいろんな子がいるので、あまり借りた本についてつっこまれたくないだろうな、という雰囲気を出しているような子には気をつかいますが、子どもたちのことを知るというのも学校司書の役割の一つだと思ってなるべく声がけしていました。

もちろん、ウザがられない程度に、ですが。 

 

貸出も済むと、あとは静かに読書をする時間となります。

が、クラスによってはそうそう大人しくしてくれないところもあって、いつまでも友だちとおしゃべりしていたり、心理テストの本をいっしょに読んでいたりするものです。

担任の先生がびしっと注意をしてくれるクラスもあります。

そうでなければ、司書が注意をしなければいけないのですが、この塩梅といいますか、どこまで厳しくすべきか、というのはいつも悩んでいました。

 

あまり厳しすぎる司書のいる図書館というのは、子どもたちも行きたくなくなってしまうでしょう。

しかし、緩すぎる司書というのもいけません。

 

幸いにも、私が勤務していた小学校では、注意をしてもしても直らないような子はいなかったので、厳しく怒るというシーンはありませんでした。

本気で怒る、というか、叱ったのは、掃除の際に何度か注意しても濡れたぞうきんを振り回すのをやめなかった子と、図書館で鬼ごっこをするというのが三回ほど続いた子たちくらいです。

どちらも低学年だったので、次に図書館に来るときには、子どもたちはあっけらかんとしていましたが……笑

 

 

長くなってきたので、後半はまた次回。

 

学校図書館関係の記事をほかにも書いていますので、よろしければ。

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こちらは私が図書館運営において、参考にした本・活用した本です。

司書と先生がつくる学校図書館

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