本棚のすき間

絵本や小説、学校図書館のあれこれ

高校司書一週目の話と図書館の未来について

高校での司書の仕事がぬるっと始まった。

小学校とはいろいろが違っていて、そういう、カルチャーショックみたいなものに慣れるところからスタートという感じ。

 

まずは、立派な司書室があること。

最初の小学校では、司書室なんていうものはそもそもなかった。

自分の荷物はカウンターの脇の、机の下のスペースに入れる。

コートなんかも、丸めてそこに。

 

二つ目の小学校はマンモス校で、一応、司書室があった。

でも、物置のようなところにデスクと作業台があって、ただ、それだけという。

それでも、司書室がある! という喜びはあったんだけど。

 

それが、今やなんと、水道がある、ガスコンロがある、そして冷蔵庫もロッカーもあるという、おそろしく素晴らしい司書室に常駐できるというのだから、戸惑ってしまう。

すごすぎる。

高校ではこれが普通なんだろうか。

 

 

それから、職員室というものもないので、朝来たらまずはそこに行ってあいさつをする、というルーチンもない。

ネームプレートをひっくり返して、そのまま、司書室に向かうことができる。

なんだか、こそこそと悪いことをしているような気分になる。

 

帰りも、司書室に常駐の図書主任がいなければ、誰になにを言うともなく、ひっそりとネームプレートをひっくり返して帰っていくことになる。

 

 

今日は、年度始まりのテストの日ではあったんだけど、初めて、ちゃんと図書館を開館した。

朝と昼と放課後。

この、放課後に図書館を開館するっていうのも、小学校にはなかったな。

 

なので、夕方に生徒が図書館に来るっていうのがちょっと新鮮。

 

小学校では、ある程度楽しい企画をしたりすれば、いろんなタイプの子が図書館に来てくれた。

それに、図書の時間もある。

 

まだ一日目だからよくわからないけど、高校では、本当に図書館が好きな子だとか、そういう子の付添いの子だとかしか来ないのかもしれない。

 

自分だって、当時はもう本が好きだったはずなのに、高校時代、図書館に行った記憶があまりない。

楽しいことはいっぱいある。

 

お昼休みに図書館の窓から外を見たら、外の階段のところでカップルらしき男子女子がいっしょにお弁当を食べているのを見つけた。

あまりにも眩しくって、すぐに目をそらしちゃった。

 

 

今日は一年生が三人図書館に来てくれた。

まだ、オリエンテーションをしていないんだけど、貸出用のバーコードはできているので、もう借りることもできる。

こういうのも、小学校とは違うね。

オリエンテーションをするまでは、本を借りることはできません! っていう、小学校特有(?)のあのかたい感じとは。

 

ツイッターでも書いたけど、「三年間でこの図書館にある本を全部読もうと思ってます」って、なんとも頼もしい発言をしてくれた一年生男子くんに痺れた。

「計算上だと、一日二十冊くらい読まなくちゃみたいですけど」

って、結構冷静なところもいい。

 

「クラスになじめなさそうなんですよね」

とも言っていたので、そういう時はいつでも図書館に来てくれていいよ、授業中とかでなければね、と。

また明日来ます、と言って、彼は去っていった。

三年間で、彼が何冊読めるのかとても楽しみ。

そして、どんな本を読んでどんな大人になっていくのかも。

 

うちの高校には美術科みたいなものがあって、主にそういう子たちが興味を持ってくれることを期待して、図書館に絵を飾りませんか? という企画を準備している。

 

小学校でも、A4の紙を用意して、描きたいという子にはそれを渡して、季節感のある絵や、好きなキャラクターの絵を描いてもらっていた。

それを、百均で額に入れて(全部は無理だったけど)、カウンターのそばのよく見えるところに飾っていた。

 

かなり、たくさんの子が参加してくれていた。

冬にはちゃんと、雪だったり、サンタだったり、こちらがそれとなく示したテーマをきちんと盛り込んで。

 

高校ではどうだろう。

べつに図書館に飾ってもらったりしなくていいし、とかそういうスタンスの子ももちろんいるんだろうな。

とにかく、やってみる。

で、反応を見ながら、軌道修正したりして。

 

図書館が美術館の役割を並行して果たしたっていいと思う。

というか、これまでの、本を借りたり、読んだり、っていう、従来の図書館の役割だけを果たそうとするだけでは、図書館は生き残れない気がする。

本の魅力が、というよりも、その他の娯楽やツールの普及、多様化を無視して、図書館だけそのまま、っていうのはどう考えても無理でしょう。

 

であるならば、図書館、学校図書館にも、これまでにない付加価値を加えながら、もちろん、図書館としての役割を果たしていく方向を考えていかなくちゃいけないのではないかな、と前から思っていた。

 

なので、絵を飾る、というのはそういう方向への第一歩。

まだ、お知らせの掲示もしていないので、どうなるかはわからないけど。

 

 

明日からは通常授業の日々。

高校の図書館だからこそできることを少しずつ見つけていきたい。

 

www.nahdaannun.com

 

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