本棚のすき間

絵本や小説、学校図書館のあれこれ

高校の司書が休校中に密かに準備しているあれこれ

未だ休校が続いている。

着任してから生徒たちと顔を合わせたのは、三日かそこらだけ。

先生たちは動画を作っていたり、Zoomでホームルームをしていたり。

司書もできることをやらねばと思うのだけれど。

 

生徒たちが来たら、こういう感じで図書館に誘導しようという作戦が幾つかある。

まずは、掲示板を使ったもの。

生徒玄関から二年生三年生の教室に行く途中、階段の踊り場や廊下に、図書館で自由に使っていい掲示板がある。

そこに、いきなり間違い探しを掲示する。

学校図書館 お話・文学間違い探し素材集 /CD-ROM付き

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  • 発売日: 2018/05/01
  • メディア: 大型本
 

この本がとても役に立つ。

昔話や小説をテーマにした絵で、間違い探しの素材が幾つも入っている本。

ただ、高校で? という感じも否めない。

小学校では、廊下に掲示したらたくさんの児童が楽しそうに間違いを探している姿が見られた。

そうして、答えは図書館にあります、としておけば、何人も答えを見に来てそのついでに本を借りたり読んだりするという寸法だった。

 

小学生と高校生じゃ全然違う。

っていうのはわかってるのだけど、案外高校生でも、結構子どもっぽい遊びに興じたりすることってある気もする。

という感じで、まあ、目もくれないという可能性も多分にあるとは思いつつ、忙しない日々の中でちょっとした癒しになってくれたらと。

 

それで、図書館にも寄ってくれればもうけもの、と。

 

それから、ナンプレを一題掲示しておく。

高校生でナンプレをやっている子というのは、あんまりいないんじゃないかな。

自分は全く知らなかった。

ナンプレってご存知でしょうか。

9×9マスの、縦列と横列、9マスの正方形の中に数字が被らないように入れていくというもの。

ナンプレメイト 2020年 06 月号 [雑誌]

ナンプレメイト 2020年 06 月号 [雑誌]

  • 発売日: 2020/04/30
  • メディア: 雑誌
 

こういうの、書店に行くとどっさり置いてある。

一冊がわりと薄いというのもあるけど、そんなに種類要る? と思ってしまうほどたくさん。

書店員をしていた頃は、結構年配のお客さんによく場所をきかれたっけ。

頭の体操にはぴったり。

 

かくいう自分も、昔は何が面白いんだろうという感じだったんだけど、いざ始めてみるとめちゃくちゃハマる。

夜中の二時ごろまでひたすらナンプレをやっていた時期もあった。

 

で、高校生たちはただでさえいろんな授業もあるし、部活もあるし、なんだかんだと忙しいはず。

そんな彼らにナンプレの楽しさを教えてしまおうという黒い誘惑。

 

図書館には、幾つか数字の入ったナンプレと、そこからの進め方やルールなんかを書いておく。

やってみたい人は図書館に用紙があるのでどうぞ、と。

掲示板でちらっとやろうとしても、実際に書きこんでいかないと出来ないのでもやもやする、そこで、図書館に来る。

ナンプレの用紙をもらいがてら、新着本やおすすめ本も見る。

お、面白そうなのがあるじゃん、となる。

 

という流れは頭の中では出来ているのだけれど、実際にそこまで上手くいくかどうか。

たぶん、見向きもせずに通り過ぎる子がほとんどなんだろうな。

まあ、それでも。

 

掲示板に図書館に来たくなるようなしかけをするのは第一段階で、実際に図書館に来た生徒たちに本をアピールするのが第二段階。

この休校中に蔵書している本をじっくりとチェックすることができた。

 

高校の図書館で働くのが初めてなのでなんとも言えないけど、なんというか、面白くなさそうな本がたっぷり。

と言ったら怒られてしまいそうだけど、やたら古い本がいっぱいで、そのわりに複本(同じ本が二冊以上)あったりする。

前にいた小学校でもある程度古い本はあったから、そういうものなのかな。

でも、高校みたいに大人も読むような本で、数十年前のものだったりすると、だれが読むんだこのシリーズ、とかどうしても思ってしまう。

 

まあ、何かに使われる、ということもあるのかもしれない。

 

それで、やっぱりいまの子たちはラノベという選択肢があって、書店にいけばわんさか面白そうなシリーズが置いてある。

自分が高校生の時にも多少はあったのかもしれない(なかったような気もする)けど、こう、少数派だったんじゃないかな。

いまではもう、中高生が読む本のメインストリームといってもいいくらい。

 

生徒たちと少しだけ話をした中でも、ラノベをもっと入れてほしい、新しいものをもっと入れて、シリーズの途中までしかないやつの続きを入れて、といった声を聞いた。

これはもう、そういうことなんでしょう。

ひとりの本好きとしては、江國香織さんや今村夏子さん、中村文則さんの本とかを読ませたくなってしまうのだけれど、やっぱり、ちょっとハードルが高い。

もちろん、そういう本の魅力にどっぷり浸かれる子もいるんだろうけど。

 

そういう本を紹介して、素直に借りて読んでくれるようになるにはやっぱりある程度の信頼関係が必要なんじゃないかな。

小学校でも、最初の頃はなかなかおすすめしても動きが鈍かったりしたけど、しばらくして、この人は面白いものをすすめてくれる人認定をしてくれたのか、向こうからおすすめを聞いてくれるようにもなっていった。

 

そういう信頼関係を作っていく上で、その子たちが求めている本を出来る限り図書館に入れてあげたいし、どういう本を欲しているのかも知りたい。

なのでなおさらこの休校の期間がもどかしかった。

 

 

明日は、Zoomでとあるクラスのホームルームにお邪魔して、本の紹介をする予定。

ネット環境のこととかもあるので、全員参加するわけじゃないそうだけど、いまからすごく緊張してる。

それから、校長先生には、先生たちが作って発信している授業動画のように、図書館の方でもおすすめ本の紹介動画を流してみては、という話をいただいた。

顔を出さずに、本を映したり、パワーポイントに書影を置いたりして声だけで紹介、という形でもできるそうなので、できないこともなさそう。

 

これから分散登校が始まる。

まだまだ、家にいる時間が多いであろう生徒たち。

きっと、ゲームだったりネットだったり、3月からやり続けてきたことはもう飽きてくるころだろう。

そういう子たちに、ぜひ読書をしてもらいたい。

本を読むのもいいじゃん、と思ってもらえるように、できることは少ないかもしれないけど、とにかくいろいろやってみようと思うきょうこの頃。

 

www.nahdaannun.com

 

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