本棚のすき間

絵本や小説、学校図書館のあれこれ

虫愛ずる女子とげらげら笑う男子

朝の図書館にはあい変らずあんまり人が来ない。

どちらかというと、朝のホームルームが終わって、一時間目が始まるまでの間の時間にふらっとやって来る。

漫画とライトノベルが人気。

まあ、高校だしそんなものなのかな。

 

お昼休みになって十分程経つと、常連の生徒が早くも来る。

いったいどれだけ早食いなのかと心配になってしまう。

司書としては、いち早く図書館に行きたいと思ってくれているようで嬉しくもあるのだけれど。

 

当番活動に来た図書委員の女子と話をする。

先日、猫が可愛いという話をした子。

今日はどういう流れだったか、毛虫の話になった。

 

毛虫が好きという。

毛がいっぱいあって、ふわふわしている感じのが特に。

通勤している時に「毛虫たちはなぜ道を横断するのか」ということをよく思っていたのだけれど、誰にも話せずにいた。

それをその子に話すと、「たしかに渡ってますね!」とわかってもらえて感激した。

結局謎は解けずじまい。

知っている人がいたら教えてください。

 

毛虫以外にもあまりほかの人が好まなそうな虫も好きなようで、よく人に変わってるねと言われるそう。

確かに変わっているのかもしれないけど、それは個性。

虫めづる姫君 堤中納言物語 (古典新訳文庫)

虫めづる姫君 堤中納言物語 (古典新訳文庫)

  • 作者:作者未詳
  • 発売日: 2015/09/09
  • メディア: 文庫
 

その生徒が今度図書館に来たら、この本を紹介してみようと思う。

 

午後の授業が終わると掃除の時間になる。

 

きのうの話。

はたきをかけながら、本棚をじっと見ている女子がいたのでどういうのが好きなのか聞くと、湊かなえや山田悠介をよく読むという。

湊かなえの新刊が読みたいそうなので、今度注文することに。

 

あんまり、読書とかしなさそうと思っていた子だったので(すごい偏見、反省)、驚いたし嬉しかった。

 

で、今日の掃除の時間にその子が席に座ってがっつり本を読んでいたので「がっつり読んでるね」と声をかけた。

で、〇〇さんに読んでみてほしい本があるんだけど、と

満願(新潮文庫)

満願(新潮文庫)

  • 作者:米澤穂信
  • 発売日: 2018/01/19
  • メディア: Kindle版
 

この本を紹介してみた。

短編集で、目次の題名を見せたところ「死人宿」という文字に反応して、「こういうの絶対好き」と興味を示してくれた。

そして、その時間じゃなく、ちゃんと放課後になってから図書館に来て、その本を借りていってくれた。

掃除の時間以外に図書館に来たことのない生徒だったので、なんというか、非常に嬉しい。

 

 

放課後にも、ちらほらと生徒がやって来る。

常連の子たちが多い。

これも先日の話だけど、一行空きでなにかが書いてあるルーズリーフの束を持っている子がいて、「それなに?」ときくと「鬼滅の刃の二次創作です」とはずかしそうに答えてくれた。

読ませてくれるかなと思ったんだけど、頑なに断られてしまったのでだめだった、残念。

 

今日もその子が来ていた。

顔を見るなり「読ませませんよ」と言われてしまった。

いつか読ませてもらいたい。

 

それから、漫画をよく借りに、読みにくる男子も来ていた。

銀の匙にハマっているらしい。

銀の匙 Silver Spoon コミック 1-15巻セット

銀の匙 Silver Spoon コミック 1-15巻セット

  • 作者:荒川 弘
  • 発売日: 2020/02/18
  • メディア: コミック
 

で、カウンターのそばでひとり読んでいるんだけど、面白いらしく、ときおり「ふふふふふ」と声に出して笑う。

館内は静かなので、ほかの生徒たちがちょっとぎょっとしたような顔をしていた。

とはいえ、声出して笑わないでとも言いにくい。

いや、言いにくくはないんだけど。

 

そのうちに、ほかに生徒がいなくなったので、好きなだけ笑わせてあげた。

図書館でげらげら笑いながら漫画を読むことがいいことかは置いといて、あんな風に漫画を楽しんで読んでいたことってあったかなあって、ちょっと考えてしまった。

漫画だけでなく、いろんなところで、素直にそれを楽しむことができるのって、いいことなんだろうね。

 

そんな一日。

明日はだれとどんな話をするだろうか。

楽しみだ。

 

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